予定より少し遅れたが、IntelとHPが開発したアルゴンヌ国立研究所に設置されるスーパーコンピュータ「Aurora」がついに完成した。このハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)市場の新星は、理論的には1秒間に膨大な量の計算が可能で、科学界にこれまでにないシミュレーション能力を提供する。
当初は2021年までに完成する予定だったAuroraは、このたびArgonne Leadership Computing Facility(ALCF)のデータセンターに、10,624枚のコンピュート・ブレードがすべて設置された。Intel、Hewlett Packard Enterprise(HPE)、米エネルギー省(DOE)のパートナーシップにより開発されたAuroraは、理論ピーク性能2エクサフロップス(1秒間に20億回の演算)以上を達成する見込みだ。
Auroraの10,624のコンピュート・ブレードは166のラックに設置され、各ラックには8列に64のブレードが搭載されている。冷蔵庫サイズのラックは、アルゴンヌ国立研究所のバスケットボールコート2面分のスペースを占めるため、もちろん多くのスペースが必要だ。
各ブレードには、2つのIntel Xeon MaxシリーズCPUと6つのIntel MaxシリーズGPU、さらに高性能アプリケーションに必要なすべてのメモリ、ネットワーク、冷却技術が搭載されている。全体では、Auroraは63,744個のIntel GPUと21,248個のIntel Xeon CPU、1,024以上の分散ストレージノード、220ペタバイトのストレージ容量、31テラバイト/秒の総帯域幅を誇る。
Intelは、最近発表したMaxシリーズのCPUとGPUは、競合製品よりも大幅に性能を向上させることができ、OpenMC上ではAMD MI250X GPUの最大2倍の性能を発揮すると述べた。Xeon MaxシリーズCPUは、多くの実世界のHPCワークロードにおいて、競合製品に対して40%の「性能優位性」を持っているとサンタクララ社は述べており、Auroraは、科学者が期待するすべてのことを行うために、得られるすべての性能を確実に必要としている。
Intelによれば、Auroraは現代のハイパフォーマンス・コンピューティングのいわゆる「3本柱」、すなわちシミュレーション、データ分析、人工知能の可能性を「極めて大規模」に解き放つように設計されているという。このエクサスケールクラスのスーパーコンピューターは、宇宙物理学、ヘルスケア研究、大規模言語モデル、そしてその間にあるあらゆるものにおいて、科学的探求の限界を押し広げるためのツールを提供する。
インストール段階は完了したが、Auroraは驚異的な計算能力を発揮する前に、少し慣らし運転が必要となる。初期ユーザーは、システムの潜在的なバグを特定するために、Auroraと同じアーキテクチャの開発とテストに使用されていたサンスポット・テストベッド(2ラックのみ)から作業を移行し、スーパーコンピューターを「ストレステスト」する予定である。
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