英・ArmのIPOは、今年最大の株式市場上場のひとつとなりそうだ。このイベントに対する熱狂の高まりに伴い、同社は現在、IPOの成功を確実にするため、できるだけ多くの業界の大物を引き付けようとしている。
Armは現在、日本のSoftBankグループによって所有されている。英国を拠点とするArmは、シリコンチップを設計し、チップの通信方法を管理する命令セットをライセンスしている。さらに、Armの知的財産(同社のRISC(Reduced Instruction Set Computing)命令セット・アーキテクチャ(ISA)を含む)は、Apple、Qualcomm、Samsung、HUAWEIなどのスマートフォン用チップに利用されており、市場の約90%をカバーしている。こうした市場に大きな影響力を持つArmは、今年末の株式公開によって80億ドルから100億ドルの資金を調達すると予想されている。
ここ数週間、IntelはArmとの協力を加速させている。両社は最近、Intelの18Aプロセス・ノードで次世代モバイルSoCを製造する多世代契約を締結した。この契約により、ArmはIntelの「オープンシステム・ファウンドリ・モデル」を活用し、チップセット、パッケージング、ソフトウェアなど様々な分野をカスタマイズすることができる。Intelはこれまで、主にx86チップの製造に携わってきた。
現在、Financial Timesは、ArmがNVIDIAと交渉し、IPOのアンカー投資家の一人になることを検討していると報じている。半導体大手のNVIDIAは、350億ドルから400億ドルの評価額でArmに投資しようとしていると報じられており、SoftBankがArmに対して積極的に求めている800億ドルの評価額とはかけ離れている。ちなみに、SoftBankは2016年に320億ドルでArmを買収している。NVIDIAは400億ドルの評価額でArmを買収する予定だったが、世界中の規制当局から競争関連の厳しい反対に遭い、買収を断念せざるを得なかった。
Bloombergの報道によると、Armの最終的な評価額はまだ宙に浮いており、同社の価値は300億ドルから700億ドルの間になる可能性があるという。
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