Appleは、同社の機密情報をメディアや他のハイテク企業にリークした疑いで、元従業員を訴えているようだ。訴えられたのはバッテリー性能の最適化を専門とするiOSエンジニアのAndrew Aude氏だ。Appleは、Appleの『ジャーナル』アプリやVisionOSヘッドセットの開発情報の漏洩などについてこの従業員を訴えており、25,000ドル以上の損害賠償を要求している。
Aude氏は2016年にAppleに入社した。バッテリー性能の最適化というその職務上、ソフトウェアやハードウェアに関連する情報の大部分にアクセスすることができた。Appleによれば、彼が同社のiPhoneを使って、ポリシー、ジャーナルアプリ、Vision Pro、追加開発ポリシーなど、近々発表される製品やサービスに関する情報をリークしたと述べられている。
Appleによると、Aude氏はWall Street Journal紙の記者に、未発表の『ジャーナル』アプリに関連する機能の数々を電話で漏らしたという。その直後、同誌はリリース予定のアプリとその機能に関連する記事を掲載した。彼は、”Homeboy”と呼ばれるジャーナリストに「1,400通以上」のメッセージを送った。さらに、彼は『The Information』の別のジャーナリストにも「10,000件以上」のメッセージを送っている。
Appleは、「Mr. Audeは、後世に残すために、Appleから支給された仕事用のiPhoneでしばしばコミュニケーションのスクリーンショットを撮り、保存していた」と述べている。以下のスクリーンショットは、AudeとWSJのジャーナリストとの間のSignalアプリ上での暗号化されたメッセージのやりとりのものである。
Appleによると、Aude氏は意図的にメディア関係者やジャーナリストに情報を漏らしたという。同氏は、こうした機能や製品を “殺す”ために情報を流したことを認めている。Appleは、機能や製品が早期に明らかになったことで、製品から「驚きと喜び」の要素が失われたと主張している。
Appleは、Aude氏がその行為によってAppleを追われた2023年末までにリークを知った。AppleはAude氏2023年11月に聞き取り調査を行ったが、その際同氏は機密情報の漏洩を否定した。Appleの主張によると、Aude氏はインタビュー中にトイレに行き、ジャーナリストとやりとりしたSignalアプリなど、彼に不利な証拠の数々を消したという。しかしその後、彼は12月に自分に対する疑惑の一部を認めた。Appleは法廷外で事態を解決しようとしたが、Aude氏は非協力的であり、今回の訴訟になったとのことだ。
Appleは、ジャーナリストやメディア関係者に開示された情報の量が不明であるとして、Aude氏を「継続的な脅威」に分類している。同社はAude氏に対し、補償的損害賠償と懲罰的損害賠償を求めている。PDFファイルの全文はこちらからご覧いただける。
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