欧州連合(EU)をはじめとする世界各国政府からの圧力を受け、Appleは、iOSを競合するアプリストアに開放する準備を進めていると報じられている。
BloombergのMark Gurman氏によると、Appleのソフトウェアおよびサービスチームは、“重要な要素を開放する” ためにApp Storeプラットフォームを再設計しているとのことだ。
これにより、AppleがiPhoneやiPadのユーザーに、App Storeを通さずにサードパーティーのアプリをダウンロードする選択肢を与えることになるという。その結果、開発者はAppleがApp Storeにおいて、開発者に課している30%や15%と言った高額な手数料を回避することができるようになる。それにより、ユーザーとしては、アプリをこれまでよりも安価に利用できる可能性も生まれるだろう。例えば、YouTubeプレミアムなどは、iOSでサブスクリプション契約をすると、YouTubeのサイトで直接契約する場合に比べて高額になっているが、そういった差がなくなる可能性が出てくる。
Gurman氏によれば、近々導入される手数料は主に、EUが最近可決した「デジタル市場およびサービス法(Digital Markets and Services Act:DMA)」を支持するためのもので、まずEUで導入された後、他の地域に展開される可能性があるとのことだ。
Gurman氏によると、Appleは来年、iOS 17と一緒にリリースできるようにこの変更を準備する予定とのことだ。EUにおいて活動を続ける企業は、2024年までにデジタル市場法に完全に準拠する必要がある。この法律は、Appleがユーザーを自社のプラットフォームに囲い込むために、iOSに依存し、そこから離れられないようにするために取ってきた数々の戦略に大きな転換を迫る物で、Appleにとってとても大きな意味を持つ。例えば、この法律では、異なるメッセージング・プラットフォーム間の相互運用性や、外部の開発者がオペレーティングシステムの中核機能に平等にアクセスできるようにすることを求めている。また、重要な点として、Apple がサードパーティのアプリ ストアを許可するだけでなく、ユーザーが Web からダウンロードしたソフトウェアをインストールできるサイドロードを許可することを義務付けている。
Appleは、サイドロードをセキュリティとプライバシーのリスクと呼び、一貫して反対を訴えてきた。Gurman氏によると、同社は「一定のセキュリティ要件を義務付ける」「外部のアプリを何らかの形で検証する」「手数料を徴収する可能性がある」ことも検討しているようだ。
DMAの直接的な結果としてiOSにもたらされる可能性のある大きな変化は他にもあるが、それについてはまた詳しく別の記事でお伝えする。
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