Amazonの商品ページに、以前よりも広告が増えたと感じる感覚は決して間違いではない。同社の広告ビジネスは急速に伸びており、実は同社のクラウド事業に次ぐ稼ぎ頭にまで成長している。だが、同時にAmazon内のApple製品(iPadやMacBook、AirPodsなど)のページに広告が表示されていない事に気付いた人は少ないのではないだろうか。Insiderの報道によれば、AppleはAmazonと秘密の契約を交わし、製品ページから競合他社の広告を削除していることが明らかになった。
Appleのブランドイメージを守る
Insiderは、AmazonはAppleの製品ページをクリーンに保つために広告を削減していると指摘する。ページ上部に広告が表示されないこと、「この商品に関連する商品」や「4つ星以上」と評価された商品の広告すらもなく、Apple製品のページにはほとんど広告がない。これをSamsungのような他の企業の商品ページと比較してみると、Samsungの製品ページには前面に広告がちりばめられている。
AmazonはApple製品の検索結果ページにも制限を課しているようだ。広告自体は表示されているが、結果の上、下、間に貼り付ける広告を制限している。例えば、AmazonでiPadを検索すると、ページ上部のバナーにApple製品が表示され、一番下に別の広告バナーが表示されるだけだ。一方、SamsungのGalaxy S23のような競合デバイスを検索すると、一番上に大きな広告が表示されるのはもちろん、結果ページ全体に他の製品やサービスの広告が表示されるようになっている。
Insiderによると、広告のないページは、AppleがAmazonで製品を販売するために2018年に結んだ契約に由来するという。
社内メールによると、AppleはAmazonに、検索結果で自社の最新製品のみを紹介し、Apple以外の推奨製品を掲載しないクリーンな製品ページを維持するよう要求したという。
そしてそれに対しAmazonはAppleがより幅広い製品を直接販売し、模倣品販売を防止することに同意したという。「WWフレームワーク条件」と題されたメールのやり取りは、Appleが競合ブランドの宣伝を避けるためにクリーンなプレゼンテーションを望んでいることを示していた。
社内メールでは、Amazonの元小売部門責任者Jeff Wilke氏は、「Appleが検索や詳細ページで競合ブランドへの販売を促進したくないということは理解している…」「商品詳細ページでは、AppleがApple以外の製品を勧めるようなプロダクトプレイスメントを望んでいないことは理解している」と、書いている。
Appleは、この合意はアマゾンのマーケットプレイスにおける重大な偽造品や安全性の問題に対処することを目的としたもので、Appleの製品ページに正確なコンテンツを提供することで、Amazonでの偽造品や安全でないアップル製品の販売を減少させたと主張している。
米連邦取引委員会(FTC)は最近、Amazonに対する訴訟で、Amazonと前CEOのJeff Bezos氏が利益を上げるために「ジャンク広告」と呼ばれる無関係な広告をプラットフォームに氾濫させていると非難している。
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