忘れた頃に度々話題に上るAppleの自動運転車「Apple Car」だが、開発はまだ続いていたようで、新たな報道によると2028年に公道を走行する可能性があるとの事だ。
これを報じたBloombergのMark Gurman氏は、ただし、その計画については大幅な見直しが行われており、機能についても当初目標とされていた“自動運転車”と呼ばれるものには遠く及ばないようで、Teslaや一部の自動車会社が提供している運転支援機能を備えた、より基本的な電気自動車になると述べている。
自動運転レベルは、その可能となる能力によって、0~5の6段階の区分が設定されている。当初Apple Carこと、Project Titanは、人間による一切の介入を必要とせず、条件を問わずに自動運転が可能である、完全自動運転車の“レベル5”を目指していた。だが、その後目標を修正し、一定の条件下での自動運転が可能な“レベル4”へと開発を切り替えていたが、現在はそれを一旦諦め、「システムがアクセル・ブレーキ操作またはハンドル操作の両方を部分的に行い、車線維持などを支援する」、現行の運転支援機能レベルである“レベル2”を目指しているとのことだ。これは、Teslaのオートパイロットと同等のものと言われている。
Appleは、ヨーロッパにおける製造パートナー候補と、更新された戦略について話をしたと伝えられている。Bloombergによると、Apple Carのデビューは堅実なものになりつつあるが、いずれはレベル4の自律走行システムを提供したいと考えているという。
Bloombergによると、Appleの取締役会は昨年、CEOのTim Cook氏に対し、Project Titanの出荷計画を提出するか、プロジェクトを完全に中止するようにプレッシャーをかけていたという。このプロジェクトは、これまで動作可能なプロトタイプを作成したことがないようだ。
取締役会、プロジェクト責任者のKevin Lynch氏、Cook氏を交えた長期にわたる“熱狂的”な話し合いの結果、プロジェクトの規模を縮小することが決定された。この自動車プロジェクトはAppleにとって既に大きな投資となっており、パワートレイン、自動運転のハードウェアとソフトウェア、車両部品などの研究開発に毎年数億ドルを費やしてきたとのことだ。
新たに自動運転の目標が引き下げられたことで、Apple Carプロジェクトは成功に一歩近付いたかも知れないが、同時にその革新性については疑問が残ることも確かだ。Bloombergは、一部の従業員がこの計画に批判的で、単なる「ミーハー製品」だと指摘していると警告している。
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