AMDが開催したウェビナー「Meet The Experts」にて、メモリイネーブリングマネージャーのJoseph Tao氏が次期Zen 4アーキテクチャを搭載した「Ryzen 7000」シリーズのデスクトップCPUに関して、オーバークロックに関する興味深い発言をしていた。
- AMD Ryzen 7000シリーズは、同社初のDDR5 SDRAM対応のCPUになる
- Ryzen 7000シリーズでは「おそらく不可能だと思われていた速度」のオーバークロック仕様が導入される可能性
- AMD Ryzen 7 5800X3Dはオーバークロック不可だが、これは今回だけの限定的な設計である
AMDが次世代のZen 4アーキテクチャ採用Ryzen 7000「Raphael」デスクトップCPUにてオーバークロック仕様を導入か
AMDののMeet The Expertsウェビナーでは、DDR5 DRAMの導入をテーマにしたセッションが行われたが、このQ&Aのセッション中、AMDのJoseph Tao氏から次世代Zen 4アーキテクチャ採用のRyzen 7000「コードネーム:Raphael」デスクトップCPUに関しての発言がなされた。それによると以下の通りだ。
Raphaelの素晴らしい点の1つは、オーバークロックで大きな反響を呼びそうなことで、ちょっと置いておきますが、このオーバークロック仕様では、おそらく不可能だと思われていた速度が可能になるかもしれません。
AMDメモリイネーブリングマネージャー Joseph Tao氏
このことから、現在、AMDは非常に高いクロックで動作するCPUを目標としていることが改めて明らかになった。初期のプロトタイプはすでにすべてのコアで5GHzを記録し、シングルコアのワークロードを実行する場合はさらに高いクロック速度を実現していることが判明している。
また、今回オーバークロックに関する発言が明らかになったことから、今後ユーザーはRyzen 7000 CPUから、必要な時はさらに多くのパフォーマンスを引き出すことができるようになるだろう。既存のAMD Ryzen CPUは、すでに限界に近い周波数になっており、オーバークロックのための余裕がほとんど残っていないことが分かっている。最新のAMD Ryzen 7 5800X3Dは、オーバークロックのサポートさえしていないが、AMDは、これが「一度だけ」の設計である事を明らかにしている。
AMDが次期Ryzen 7000と共に導入予定のAM5プラットフォームでは、「RAMP(Ryzen Accelerated Memory Profileの略で、DDR5用のIntel XMP3.0の競合テクノロジー)」を導入する予定で、これによりAMDシステムでのオーバークロック設定を保存できる。また、Ryzen Masterユーティリティにもオーバークロック及びチューニング機能の追加が期待される。
Ryzen 7 5800X3Dでは実現されなかった3D V-Cache搭載チップでのオーバークロックについて、技術の成熟によって可能になることも考えられていはいたが、早い段階でのAMDによるZen 4でのオーバークロック機能についての発言に、今後3D V-Cache搭載Ryzen 7000 CPU導入の可能性が高まってきたのではないだろうか。
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