Amazonによるロボット掃除機メーカーiRobot社の買収は、「欧州連合(EU)規制当局の承認への道がない」事から、本日、中止が発表された。この買収は2022年8月に初めて発表されたが、2023年に欧州連合(EU)からの反対に見舞われ、叶わぬ夢となった。
2023年後半、EUの規制機関である欧州委員会がAmazonとiRobotの買収がまもなく承認されるという噂が流れたが、2023年11月、欧州委員会は「提案されているiRobotの買収は、ロボット掃除機市場における競争を制限する可能性がある 」との声明を発表した。AmazonのiRobot買収計画は、総額14億ドルの現金取引で処理される予定だった。
取引破棄を発表したプレスリリースの中で、AmazonのSVP兼法律顧問であるDavid Zapolsky氏は、欧州委員会の見解を非難した。彼は次のように述べている:
このような結果は、消費者の生活をより快適で楽しいものにしてくれるはずだった、より迅速なイノベーションと、より競争力のある価格を否定するものです。このようなM&Aは、iRobotのような企業がグローバル市場で競争力を高めるのに役立ちます。特に、ロボット工学のような変化の速い技術分野では、同じ規制要件が適用されない企業や国の企業との競争が激しくなります。
買収が実現しなくなった今、AmazonはiRobotに9400万ドルの契約解除金を支払うことになる。
この発表の一環として、iRobotは自社のプレスリリースで、大規模なリストラも発表した。これには、従業員の31%に相当する350人の解雇が含まれる。また、1990年にiRobotを共同設立したColin Angle氏がiRobot会長兼最高経営責任者(CEO)の両職から退き、iRobotの現エグゼクティブ・バイス・プレジデント兼最高法務責任者(CIO)のGlen Weinstein氏が暫定CEOを務め、取締役会の主席独立取締役だったAndrew Miller氏が会長に就任する事も発表された。
リストラの一環として、iRobot社は空気清浄機や芝刈り機のような中核の床掃除製品ラインアップ以外の機器への取り組みを一時停止し、”小規模で業績不振の地域 “のオフィスや施設を閉鎖するとのことだ。
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