OpenAIやGoogleによる高度なAIの開発を6か月間停止すべきとの公開書簡に署名したElon Musk氏が、自身はTwitter社内で大規模な人工知能プロジェクトを始動させたと報じられている。同社はすでに約10,000個のGPUを購入し、大規模言語モデル(LLM)を含むプロジェクトのためにDeepMindからAI人材を採用したとBusiness Insiderは報じている。
この問題に詳しいある関係者は、Musk氏のAIプロジェクトはまだ初期段階であると述べている。しかし、相当量の追加計算能力を獲得したことは、別の人物によれば、プロジェクトの推進に向けた彼の献身的な姿勢を示唆している。一方、ジェネレーティブAIを使用する目的は不明だが、検索機能の向上やターゲット広告コンテンツの生成などの応用が考えられる。
現時点では、Twitterが調達したハードウェアが具体的にどのようなものであったかは不明だ。しかし、Musk氏が「いつ倒産してもおかしくない」と表現する悲惨な財務状況がTwitterで続いているにもかかわらず、GPUの購入に数千万ドル(数十億円)を費やしたと報じられている。これらのGPUは、Twitterの残る2つのデータセンターのうち1つに配備される見込みで、アトランタが最も有力な配備先とされている。興味深いことに、Musk氏は12月下旬にサクラメントにあるTwitterの主要データセンターを閉鎖しており、同社の計算能力は明らかに低下している。
Twitterは、ジェネレーティブAIプロジェクト用のGPUハードウェアの購入に加え、エンジニアの追加採用を行っている。今年初め、同社はAlphabetの子会社であるAI研究DeepMindのエンジニア、Igor Babuschkin氏とManuel Kroiss氏を採用している。Musk氏は少なくとも2月から、OpenAIのChatGPTに対抗するため、AI業界で積極的に人材を募集している。
OpenAIは、ChatGPTボットの訓練にNVIDIAのA100 GPUを使用し、現在もこのGPUを使ってボットを動かしている。加えて、A100の後継であり、ほぼ同じ電力で数倍高速なH100コンピュートGPUの採用も開始している。憶測ではあるが、Twitterは、AIプロジェクトにNVIDIAのHopper H100または同様のハードウェアを使用する可能性が高いと思われる。同社がAIプロジェクトを何に使うかまだ決めていないことを考えると、どれだけのHopper GPUが必要になるかを推定するのは難しい。
先日Semaforによって報じられたOpenAIとMusk氏との確執や、今回の報道を考えると、OpenAIなどのAI技術で先端を行っている企業の開発を停止するという公開書簡への署名は、「(Musk氏が)自分の会社がそれに追いつくために足を引っ張りたいだけ」とする批判も、あながち間違いではないのではと思わざるを得ない。
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