132億光年先と言う常識を覆す遠方に超大質量ブラックホールが見つかる

masapoco
投稿日 2023年11月8日 16:23
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NASAのチャンドラX線衛星とジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)のデータを用いることで、この度研究者らはビッグバンからわずか4億7000万年後という、非常に古いブラックホールの特徴的なシグナルを特定することに成功した事が明らかになった。

広く受け入れられている理論では、ビッグバンによって我々の宇宙が誕生したのはおよそ138億年前とされている。つまり、このブラックホールは宇宙誕生から133億年前、我々のこの地球から133億光年も離れた距離にあるのだ。

今回の発見は、超大質量ブラックホールがビッグバンの直後の宇宙がまだ若い時期に巨大なサイズに達する可能性があることを示しており、驚くべきことである。

公式発表によると、今回新たに発見されたブラックホールは、成長初期段階にあるようで、その質量はホスト銀河と同等だという。

「この非常に遠い銀河を見つけるためにはウェッブが必要であり、超巨大ブラックホールを見つけるためにはチャンドラが必要でした。我々はまた、検出した光の量を増加させる宇宙の拡大鏡(重力レンズ)を利用しました」と、この新しい研究の主執筆者であるハーバード&スミソニアン天体物理学センター(CfA)のAkos Bogdan氏は語っている。

この研究は、若い宇宙における初期の超大質量ブラックホールの形成に関する洞察を与える可能性がある。

宇宙誕生初期の超巨大ブラックホールの発見

ブラックホールは、地球から約35億光年離れた銀河団アベル2744の方向に位置するUHZ1銀河の中にあった。

しかし、JWSTのデータを評価したところ、興味深い事実が判明した。

JWSTは、UHZ1が単に遠いだけでなく、銀河団アベル2744から著しく離れていることを明らかにした。JWSTの発見によれば、UHZ1銀河は地球から132億光年という驚くべき距離にあったのだ。

このことは、UHZ1を、宇宙がまだ誕生間もない頃に出現したものであることを意味し、宇宙の遠い過去を垣間見ていることになるのだ。

そして、チャンドラX線衛星によって、この銀河内のX線を発する超高温ガスの放出が、超巨大ブラックホールの兆候であることが確認された。

だが、これほど遠方にある天体を発見出来たことは、重力レンズ効果による拡大という幸運も重なった。

重力レンズ効果とは、巨大な天体の重力場がレンズの役割を果たし、そこを通る光の進路を曲げることで起こる。前景の銀河団アベル2744がUHZ1銀河からのかすかな光を拡大し、2つの望遠鏡がそれを拾うことを可能にしたのだ。

初期のブラックホールを理解する上で重要な発見

この発見は、いくつかの超大質量ブラックホールがビッグバン後の初期に急速に巨大化したことを理解する上で、重大な意味を持つ。

「ブラックホールが形成されてから急速に成長するのには物理的な限界がありますが、生まれつき質量が大きいブラックホールは、先行することができます。苗木を植えるようなもので、種だけから始めた場合よりも、実のなる木に成長するまでの時間が短いのです」と、論文の共著者であるプリンストン大学のAndy Goulding氏は語る。

このデータは、最近発見されたブラックホールが、相当な質量を持って誕生したことを示す有力な証拠となる。

X線の明るさとエネルギーから推定される質量は、太陽の1000万倍から1億倍の範囲にある。注目すべきことに、この質量範囲は、ブラックホールが潜んでいる銀河系のすべての星の質量を合計したものと一致している。

科学者たちによると、このブラックホールは、広大なガス雲の崩壊によっていくつかのブラックホールが形成される可能性があると予測する「アウトサイズ・ブラックホール」理論の最初の証拠だという。この理論は2017年に提唱された。

「これは、アウトサイズ・ブラックホールの最初の検出であり、巨大なガス雲から形成されるブラックホールがあることを示す、まだ得られていない最良の証拠だと考えています。超大質量ブラックホールが銀河系内の恒星と同じくらいの重さになり、後ろに落ちるまでの短い段階を初めて見ることができました」とイェール大学のPriyamvada Natarajan氏は今回の発見の意義を強調している。


論文

参考文献



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