2020年東京オリンピックに向けて建設された「新国立競技場」のデザインコンペで最優秀デザインとされたが、建設費の高騰を理由に却下された事で知られるZaha Hadid Architectsが、中国の成都に計画中のSFミュージアム「Chengdu Science Fiction Museum」のデザインを公開した。
星を中心に広がる星雲をイメージし、曲線を多用した有機的で印象的なフォルムで、まるでSF映画に登場する遙か未来の宇宙船のようなデザインを提示している。
成都は、中国におけるSF作家のインキュベーションの中心地だ。1979年から発行されている「SF世界」は、このジャンルで最も人気のある定期刊行物である。成都は山脈と森林に囲まれ、青銅器時代の三星堆文明の彫刻や仮面には神秘的なビジョンや地球外の形態が見られるなど、豊かな歴史に根ざした独自の地域文化が育まれてきた。中国南西部に位置する四川省の省都である成都は、人口2,000万人を超える都市に成長し、世界の科学技術革新と研究の重要な中心地となっている。
Chengdu Science Fiction Museumは、成都のピードゥ地区にある景隆湖のほとりにあり、湖面に浮かぶように建てられる。流動的なデザインの建物は、中国のグリーンビルディング計画の3つ星基準を満たし、構成、日射、構造の効率を確保し、キャノピーに自然ハイブリッド換気と太陽光発電を組み込んでいる。
建物の内部は59,000平方メートルで、展示スペース、会議場、イベントエリア、ギャラリー、劇場に分けられます。また、サービスエリアや中央の大きなアトリウムも見られる。
Zaha Hadid Architectsは、「ユニークな立地条件に対応しながら、プログラムと機能を一体化させたこの美術館は、湖面から浮かび上がっているように見えます。この美術館は、様々なゾーンにエネルギーフィールドを分散させる『星雲』となり、来館者を、私たちの生活体験と想像力をつなぐポータルへと導いてくれるのです」と、述べている。
Source
- Zaha hadid Architects: Chengdu Science Fiction Museum to host Worldcon 2023
- via Designboom: zaha hadid architects’ chengdu science fiction museum emulates an expanding star cloud
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