昨年発売された最高峰のSSDの1つである、Samsung 990 Proについて、SSDの状態を示す“健康(Health)”の指標が猛烈なスピードで悪化していることが報告されている。この問題は、容量に関係なく Samsung 990 Pro の全ラインアップに影響するようで、一部のドライブでは数日から数週間のうちに 10% 以上もドライブの健康状態が低下していることが確認されているようだ。
SSDの健康状態については、通常、購入して最初に箱から出したときに CrystalDiskInfo などのSSDユーティリティでチェックした状態が、“100%”で、そこから、ドライブにデータを書き込むようになると、この数値は徐々に低下していく。その値は、通常は使用頻度が大きく変わらなければ線形に低下していくものなのだが、実際の使用量と異なる指数関数的な減少を見せ始めた場合、不具合や、その他も問題が考えられる。
Samsung 990 Proの健康状態劣化問題は、先月Overclock.netフォーラムで発生し始め、毎日多くのユーザー報告が寄せられている。2TBドライブを所有するオリジナルの投稿者は、ドライブに6,641GB書き込んだだけで、1ヶ月で7%近く健康状態が悪化したという。別のSamsung 990 Proの所有者は、12月にSSDを導入してから12%悪化したと報告している。彼はこれまでに27.9TBをドライブに書き込んだが、毎週約1%ずつ健康状態が低下していることに気づいたという。Neowinでも、2TBの990 Proが、1日で1%健康状態が悪化していることが確認出来たという。
NeowinのライターRobbie Khan氏は、Samsung 990 Pro 2TBの寿命が2週間で6%減少したのを見て、SSDを返品交換のためにSamsungに送ったという。しかし、同社は、欠陥が見つからなかったとして、同じドライブを返却し、ドライブをフォーマットして工場出荷時の設定に戻したとのことだ。
その後、音沙汰なかったようだが、この問題がNeowinによって報告された後、Samsung のRMA部門は、このSSDを交換する事と、、この問題を再現してみる事を申し出たという。
とりあえず、Samsung 990 Proに実際にハードウェアの問題があって健康状態が急速に悪化しているのか、それとも報告されたヘルス値がソフトウェア側のエラーなのかは不明である。しかし、SSDのソフトウェアは明らかにS.M.A.R.Tのヘルスパラメータからデータを取得しているので、情報は間違いない。さらに、Samsung Magician、CrystalDiskInfo、Hard Disk Sentinelなど、異なるソフトウェアが同じ値を報告していることがユーザーによって確認されている。
今のところ、手がかりはあまりなく、唯一の共通点は、影響を受けたSSDがオペレーティング システムを格納するための起動ドライブとして設定されていることのようだ。そのため、Microsoft WindowsがSamsung 990 Proとうまく連携していない可能性もある。あるいは、ドライブ自体の不良である可能性もある。
数多くの事例が報告されていることから、Samsungも本腰を入れて調査する必要があるのではないだろうか。
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