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韓国科学技術院(KAIST)のエンジニアが、AIによって状況を判断し、マニュアルを一度読むだけで飛行機を操縦できるロボットパイロット「PIBOT」を開発した。PIBOTは、通常の人間のパイロットのように飛行機のコックピットに座り、「手」を使って飛行計器を操作したり動かしたりする。

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PIBOTは操縦席に座り飛行機を操縦する (Credit: KAIST)

PIBOTを製作したエンジニアたちは、外部カメラを使って周囲の状況をモニターできるように設計した。ロボットハンドは、乱気流やその他の振動がロボットの手から航空機のコントロールを奪うのを防ぐために高精度の器用さも備えている。直接操縦席に座ることが出来るというPIBOTの利点は、ロボットに合わせて飛行機を改造する必要性を排除し、PIBOTがどのような飛行機にも対応出来る汎用性を備えていることを意味する。

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俯瞰図 (Credit: KAIST)

ロボット・パイロットは、自然言語で書かれたフライトマニュアルを読むことで、航空機の操縦を学習する。そこから、身長1メートル、体重143キロのロボットは航空機を操縦し、人間のパイロットと同じように、あるいはそれ以上に効率的に操縦することができる。KAISTのエンジニアによれば、このロボットは、世界中のすべての航空図の知識を処理し、維持するのに十分なメモリを備えているとのことだ。

フライトマニュアルを読むことで得た知識に加えて、PIBOTはChatGPTで航空機のクイック・リファレンス・ハンドブックを確認したり、緊急シナリオへの対応方法を確認することもできる。エンジニアの報告によれば、PIBOTは人間のパイロットよりも速いスピードで緊急事態に対応することができるという。

ExtremeTechが指摘するように、これらのロボット・パイロットは人間のパイロットに取って代わる万能のものではないため、しばらくはこの種のロボットが広く受け入れられることはないだろう。今のところ、PIBOTはKLA-100を始動させ、問題なく離陸、巡航、サイクリング、着陸、タキシングができることを証明しているに過ぎない。その他の航空機に関しては未知数だ。

だがこの種のロボットの将来的な用途として、宇宙船のロボットパイロットとして、あるいは人間が行くことができないような惑星やその他の宇宙をより徹底的に探索することなどへの発展が考えられるだろう。


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