Samsungは、Galaxy S24、Galaxy S24+、Galaxy S24 Ultraを含む最新の主力スマートフォンの新ラインナップを発表した。
事前の予想通り、SamsungがAIに大きく注力していることが明らかになった。これまでもスマートフォンメーカーは“AI”について、折に触れて話題にはしてきたが、昨年の生成AIの爆発的な普及を受けて、より人々の関心を惹く話題となっており、その差別化によってこれまで以上にユーザーに訴求しやすくなる土壌が形成されたことは間違いないだろう。
核となるスペックに関しては驚くことはない。Galaxy S24 Ultraは、TSMCの改良型4nm(N4P)製造プロセスで製造されたGalaxy専用となる「Snapdragon 8 Gen 3 for Galaxy」を搭載している。標準的なチップセットに比べ、クロック周波数が高められており、これは昨年のGalaxy S23シリーズでも見られた伝統を受け継いでいる。
トピックとしては、一部市場で販売されるのGalaxy S24とGalaxy S24+には、Samsungの「Exynos 2400」プロセッサーが搭載される。SamsungのExynosが復活するのは2年ぶりのことだ。Exynos 2400は、Galaxy S22のExynos 2200より70%高速な10コアCPUと40%高速なGPUを搭載し、Samsung Foundryの改良型4nmプロセスで作られている。
Samsungによれば、新機種はピーク性能を長時間維持できるとのことだ。これを可能としているのが、Galaxy S23シリーズよりも大きくなったベイパーチャンバーである。Galaxy S24 Ultraでは前モデルの最大2倍ものサイズを誇るベイパーチャンバー冷却システムを搭載し、効率的な冷却が行えるとのことだ。これは同社が推進するAI駆動はもちろんのこと、重量級のAAAゲームのプレイでも効果を発揮することだろう。
Galaxy S24は8GB RAM、128GB/256GBストレージを搭載。Galaxy S24+は12GB RAM、256GB/512GBストレージ。Galaxy S24 Ultraは、12GB RAMと256GB/512GB/1TBのストレージを搭載する。
Galaxy S24 Ultra
Galaxy S24 Ultraの最も大きな変更点の一つが曲面ディスプレイの廃止だろう。フラットディスプレイいに回帰し、120Hzのリフレッシュレート、HDR10+をサポートし、2,600nitsの明るさを実現する6.8インチのDynamic LTPO AMOLEDディスプレイを採用している。ディスプレイは反射を最大75%低減するというGorilla Glass Armorで保護されており、同じガラスが背面にも使われている。
Galaxy S24は、One UI 6.1の上でAndroid 14を搭載している–このOne UIの新バージョンにはAIベースの機能が多数追加されている。
そしてGalaxy S24 Ultraは、Samsungが初めてチタン製フレームを採用した携帯電話である。ただし、チタン製なのはエッジのみで、シャーシ、電源ボタン、音量ボタンはアルミニウム製だ。Samsungによると、S24Ultraのスピーカーには40%のリサイクルスチールと100%のリサイクル希土類元素、電源キーと音量キーには最低でも10%のプレコンシューマーリサイクルプラスチック、バッテリーには最低でも50%のリサイクルコバルトを使用しているという。
Samsungは、S24 Ultraのカメラシステムを大幅にアップグレードしたと述べている。10倍の光学10MPシューターがなくなり、代わりに50MPの5倍光学ズームレンズが搭載された。Samsungは10倍の望遠センサーを廃止したが、100倍のデジタルズームは健在だ。光学3倍シューターと組み合わせることで、Galaxy S24 Ultraは、2倍、3倍、5〜10倍のレベルで光学品質のズーム性能を提供できるクアッド・テレ・システムを搭載しているとのことだ。
Google Pixel 8 Proのように、Galaxy S24 Ultraはより優れたダイナミックレンジ、色、コントラストでHDR写真を撮影できる。カメラのビューファインダーでライブHDRプレビューを見ることもできる。サードパーティのソーシャルメディアアプリも、このHDR処理を利用できる。
S23 Ultraよりも低照度での画像処理能力が向上し、OISが強化され、EISが強化され、200MPのプライマリーカメラのピクセルが1.4umに拡大された。しかし、カメラのハードウェアのアップグレードは、ハードウェア面よりもソフトウェア面が重要だ。Samsungは、AIを使用して画像の背景の一部を塗りつぶすことができるGenerative EditのようないくつかのAI機能を最新のフラッグシップに搭載した。新しいインスタント・スローモーション機能は、AIを使って追加のフレームを作成し、スローモーション・ビデオをより滑らかに見せるのに役立つ。
他にもいくつかのAI機能がある。Live Translateを使えば、電話で双方向のリアルタイム翻訳ができ、処理はローカルで行われる。新しいInterpreter機能は、スプリットビューを表示し、リアルタイムで会話を翻訳します。SamsungはSamsungキーボードにもAIを導入し、13カ国語のリアルタイム翻訳を可能にしている。
Samsungはまた、新しい検索機能「Circle to Search」でGoogleと協力した。これを使うには、ホームボタンを長押ししてから、画面上のオブジェクトに丸を付ける、落書きする、ハイライトする、またはタップすると、Googleで検索できる。
これらの多くの改良に伴い、Galaxy S24 Ultraの価格は残念ながら上昇している。Samsungは、256GBストレージと12GB RAMを搭載したベースモデルの価格を1,300ドルに引き上げた。朗報としては、Samsungは2031年までOSのアップデートとセキュリティパッチを行う事を約束している。つまり、購入後ハードウェアに問題がなければ7年間は現役で使えるということだ。これはGoogleがPixel 8とPixel 8 Proで打ち出した方針と一致する。
Galaxy S24 Ultraはまた、Wi-Fi 7をメインストリームにもたらしている。また、Bluetooth 5.3などの他の接続オプションや、現代のフラッグシップ機に期待される通信機能も備えている。また、ディスプレイ下の超音波指紋リーダー、UWBサポート、衛星通信サポート、充電用のUSB Type-C 3.2も搭載されている。
充電に関して、Galaxy S24 Ultraは5,000 mAhのバッテリーを搭載し、有線では45W、ワイヤレスでは15Wで充電できる。また、4.5Wの逆ワイヤレス充電も可能だ。Qi2のサポートはされていないようだ。
Galaxy S24 及び S24+
Galaxy S24とS24+も合わせて発表となった。両機種とも6.2インチと6.7インチと、前機種よりも大型のディスプレイを搭載しているが、ベゼルの縮小により、設置面積はほとんど変わらない。パネルのピーク輝度はS24 Ultraと同じ2,600nitで、リフレッシュレートを1-120Hzの間で動的に調整できるようになり、パフォーマンスとバッテリー寿命が向上した。
S24とS24+では、カメラのハードウェアに大きなアップグレードはないが、同じAI機能とHDR写真の撮影機能が利用できる。Ultra同様、S24とS24+には7年間のOSとセキュリティパッチが提供される。
SamsungのGalaxy S24とS24+の価格は前モデルと変わらず、それぞれ800ドルと1,000ドルからとなっている。S24+は12GB RAMとQHD+ディスプレイを搭載しており、解像度が高くなっているのは見逃せない。
新しいGalaxyスマートフォンは1月31日に米国をはじめとした一部の地域で販売が開始される。
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