Samsung Electronicsの会長であるLee Jae-yong氏は、半導体チップ製造装置メーカーのASMLと重要な取引を行うために行っていた、オランダへの出張を終え、韓国に帰国した。オランダ滞在中、Willem-Alexander王のオランダとの面会など、いくつかのチップ取引について重要な話し合いが行われたが、帰国後にLee氏は報道陣にオランダでの成果のほとんどは半導体チップに集中していると語った。
ASMLは7nm以上の高度なEUV(極端紫外線)チップ製造装置を製造する唯一の企業である。このようなEUV装置は1台数百万ドルもし、ASMLは40~50台しか作れない。この装置はチップメーカーを揺るがす重要な要素とみなされているため、その受注を確保することがSamsungやTSMCのような世界のチップサプライヤーの使命となっている。
Samsungは先週、ASMLと1兆ウォン(1,100億円)の契約に調印した。両社は韓国に半導体チップ研究工場を建設するために投資し、そこでEUV技術を開発する。Samsung ElectronicsのKyung Kye-hyun副会長(デバイス・ソリューション部門長)は、今回の合意は次世代High-NA(Numerical Aperture)EUV露光スキャナー装置の確保に役立つと強調した。
Kyung氏は「SamsungはHigh-NA装置技術の優先権を確保した。(今回の出張で)長期的にDRAMメモリーチップとロジックチップの生産にHigh-NA技術の利用を最適化する機会を作れたと思う」と、語っている。
韓国京畿道東丹市に建設予定のチップ研究施設では、ASMLとSamsung Electronicsの技術者が協力してEUVチップ製造技術の改善に取り組む。SamsungとASMLの契約は、2nmチップ製造装置を韓国に導入することに焦点を当てるのではなく、次世代装置をより有効に活用できるよう、オランダ企業とのパートナーシップを構築することに重点を置いている。
ASMLは今後数ヶ月のうちに2nmノードチップを製造するための装置を発表する予定である。最新の装置では集光能力が0.33から0.55に向上し、チップメーカーは超微細パターニング技術を使って2nmノードのチップを製造できるようになる。ASMLは来年、このような装置を10台製造する計画で、Intelはそのうちの6台を受注したと言われている。ASMLは今後数年間で年間生産能力を20台まで増やすことを目指している。
ASMLから2nmチップ製造装置を取得したSamsungは、2025年後半に2nmチップの生産を開始する予定である。しかし、どのような技術や戦略計画でもそうであるように、市場の状況や生産の質によっては、そのようなチップの発売が遅れる可能性もある。
Source
- The Korea Herald: Samsung chief returns from Netherlands, satisfied with ASML deal
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