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OpenAI、ほぼ全ての従業員が取締役の退陣を求める署名を提出

ChatGPT開発元のOpenAIは、先週末からのSam Altman氏の突然のCEO解任から最大の山場を迎えている。同社の取締役会はAltman氏のCEO復帰ではなく、新たにEmmett Shear氏をCEOとして迎え、Altman氏が共同創設者のGreg Brockman氏と共にMicrosoftに入社し、先進AIチームを率いると発表した事で一旦は終わったかと思ったが、OpenAIの社員らは溜飲が下がらず、取締役全員の即時退任を求めると共に、それが叶わない場合は自らが辞職するとの署名に、既に770名の社員のうち730名が署名しているのだ。

この署名の中には取締役会が一時的に暫定CEOに指名したものの数日後に交代させたMira Murati氏や、Altman氏と共にOpenAIを共同設立し、当初はAltman氏の更迭を首謀した一人と見られていたIlya Sutskever氏も含まれている。Sutskever氏はこれに先立ち、Xにて今回の取締役会の動きに賛同してしまったことを深く後悔し、OpenAIの再建に全力を尽くすと述べていた。

公開書簡の中で、従業員たちはOpenAIの取締役会に対する不満をぶちまけている。取締役会は、能力、判断力、OpenAIの使命と従業員に対する配慮の欠如を示している、と書簡は述べている。もし取締役が辞任しなければ、スタッフはMicrosoftの新しいAI部門に移ると脅している。

OpenAIの経営陣は取締役会に働きかけているが、解決策は見つかっていない。

元CEOのSam Altman氏とOpenAIの共同設立者であるGreg Brockman氏は、残りの取締役が退任すればOpenAIに戻る意思があるようだ。

The Vergeによると、Altman氏のMicrosoftへの移籍はまだ決定していないという。取締役でチーフ・サイエンティストのSutskever氏を含むOpenAIの従業員が退任する可能性があることで、残りの取締役に対する退任のプレッシャーが高まっている。

Altman氏、Brockman氏、そしてOpenAIの投資家たちは、取締役会の適切な退任先を探しており、一方でMicrosoft社の採用発表は、ある種の保留とみなされていたという。

「私たち全員が何らかの形で一緒に仕事をすることになる。ひとつのチーム、ひとつの使命だ」とAltman氏はXに書き込んだ。

MicrosoftとOpenAIの緊密なパートナーシップは、彼がOpenAIの開発に関わり続けることを意味する、と彼は付け加えた。すべてのサービスは継続される。

一方、The Informationによると、OpenAIの顧客100人以上が、最近AmazonとGoogleから数十億ドルを調達した競合のAnthropic社に問い合わせをしているという。他の顧客も、OpenAIの対抗となるAIモデルを提供しているGoogle Cloud、Cohere、Microsoft Azureへの乗り換えを検討している。

OpenAIの新CEOとされるEmmett Shear氏も意見を述べ、ここ数日の出来事の調査と経営陣の再編成を含む30日間の計画を発表した。

Shear氏はまた、Altman氏の解雇は、社内情報筋が疑い報道していたような、AIの安全性に関する “特定の論争”とは何の関係もないと言う。その理由は全く別のものであったとしているが、詳しい事は明らかにしなかった。

「私たちの素晴らしいモデルを商業化するための取締役会のサポートなしにこの仕事を引き受けるほど、私はクレイジーではありません」と、同氏は述べている。

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masapoco

TEXAL管理人。中学生の時にWindows95を使っていたくらいの年齢。大学では物理を専攻していたこともあり、物理・宇宙関係の話題が得意だが、テクノロジー関係の話題も大好き。最近は半導体関連に特に興味あり。アニメ・ゲーム・文学も好き。最近の推しは、アニメ『サマータイムレンダ』

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