Microsoftは、検索エンジン市場においてGoogleの最大の競争相手であるBingを運営しているが、長い間、市場シェアは10%に届くことはなく、わずか6~7%程度に過ぎない。
2023年初頭、MicrosoftはOpenAIとのパートナーシップを発表し、多くの注目を集めた。この提携により、Googleの検索エンジンの終焉に繋がるのではないかとの懸念から株価は一時的に下落した事もあった。また、ChatGPTを搭載したBingのシェアが急拡大するのではとの希望的観測も見られたが、結果としてBingの市場シェアが前年比で減少している事が明らかになったのだ。
ChatGPTの統合は奏功していない
Microsoftの検索エンジンであるBingは、ChatGPTの統合にもかかわらず市場シェアを伸ばすことができていない。StatCounterの報告によると、Bingはアメリカにおいて6.89%の市場シェアを保持しており、これはYahoo、DuckDuckGo、Yandex、AOLなど他の検索エンジンより高いものの、Googleには遠く及ばない数値である。さらに、世界的に見ると、Googleの市場シェアは91.55%に達し、Bingはわずか3.11%に留まっている。これは、2022年10月の3.59%からさらに低下してしまっていることになる。
Microsoftは、ChatGPTをBingに統合することで、20年以上にわたるGoogleの検索市場支配に挑戦することを期待していた。このパートナーシップはGoogleに衝撃を与え、株価にも影響を及ぼしたが、ChatGPTとBingの提携がGoogleの市場シェアを侵食するという予測は大げさだったようだ。
実際には、Bingの市場シェアは過去12ヶ月間に世界的にもアメリカにおいても減少しており、アメリカでは2022年10月の7.4%から2023年10月には6.89%に低下している。これは、BingがAIの知能を活用しているにもかかわらず、Googleから市場シェアを奪うどころか、むしろ失っていることを示している。
Microsoftは、ChatGPTの公開以来、多くの製品やサービスにそれを統合してきた。最近では、Windows 11のタスクバーに「Windows Copilot」というボタンを導入し、これをクリックするとBing Chatが起動し、ユーザーは質問をしたりコマンドを実行したりすることができる。
現在のBing Chatの状態を考えると、近い将来にGoogleから市場シェアを奪うことは難しいと思われる。また、Google自身のAIであるBardがChatGPTに追いつくことが予想されるため、Googleは今後もしばらくの間、世界的な検索リーダーの地位を維持しそうだ。
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