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AppleはiPhone 15 Proを「最高のゲーム機」になると考えている

今年のiPhone発表会で最も印象的だったことの1つに、『バイオハザード ヴィレッジ』『アサシン クリード ミラージュ』がiPhone 15 Proでプレイ出来る事が発表された事ではないだろうか。

これは、Appleの最新モバイルチップ「A17 Pro」のGPUの性能アップ、そしてハードウェア・レイトレーシングへの対応により実現されるが、特に時間を割いて紹介されたゲーム開発者からのコメントに現れているように、AppleはiPhoneにおけるゲーム体験の向上に焦点を当ててiPhone15の開発を行ったようだ。

このAppleのゲーム性能に関し、IGNのTaylor Lyles氏とのインタビューの中で、Appleの幹部3人が、iPhone 15を “世界最高のゲーム機”に変えるという同社の計画について詳細を語っている。

A17 Proによって可能になった新たなゲーム体験

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iPhone 15 Proは、GPU性能の向上に重点を置いた全く新しいA17 Proチップを搭載している。この新しい “プロクラス”のGPUは新しい6コア設計で、Appleによると性能だけでなくエネルギー効率も向上しているとのことだ。これにより、GPU性能は最大20%向上し、ハードウェアアクセラレーションによるレイトレーシングも初めて実現した。

IGNによるインタビューは、AppleのGPUソフトウェア担当シニアディレクターであるJeremy Sandmel氏、プラットフォームアーキテクチャ担当副社長のTim Millet氏、ワールドワイドiPhoneプロダクトマーケティング担当副社長のKaiann Drance氏を招き行われた。

特に注目すべきは、AAAゲームの4タイトルがiPhone 15 Pro専用のネイティブバージョンとして登場するという発表だ。しかも、これらのゲームは、簡易版やクラウドゲーム版ではなく、フルバージョンである。

ただし、インタビューの中でMillet氏は、Appleの目標は必ずしもPlayStation 5やXbox Series Sのような特定のゲーム機と直接競合することではないと強調した:

「私たちはデベロッパーとゲームのタイトルに集中していると思います。コンソールと競争することはあまり考えていません。コンソールは、私たちがターゲットにしているデベロッパー、つまり、コンソールで成功を収めているデベロッパーが、クラシックゲームやゲームの種類について話すのに便利な方法だと思います。私たちは、同じツールボックスをデベロッパーに提供しようと最善を尽くしてきましたし、彼らと一緒に頑張っています」。

iPhone 15 Proがオーバーヒートし、高負荷のゲームでパフォーマンスを維持できなくなる可能性について、Drance氏は次のように説明した:

「これは、特定のiPhoneモデル向けに設計することのメリットの一部です。システムレベルでは、私たちが実現しようとしているパフォーマンスが実際のゲームプレイでどのように現れるのか、また、Jeremyが話したような素晴らしいフレームレートやピークパフォーマンス、グラフィックスを達成できるだけでなく、それらを維持できるのかどうかを理解するために、チーム全体で取り組むことができます。素晴らしい体験ができるようにするために、SoC側でもソフトウェア側でも多くのことを行っていることは知っています」。

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外部ディスプレイへの4K HDRビデオ出力もサポートされている点は興味深い。Sandmel氏によれば、ゲームは非常に高いフレームレートで動作し、その後でアップスケーリングが行われるという:

「ご存知のように、ディスプレイの解像度があり、ゲームの解像度があり、フレームレートやゲームのレンダリングがあります。MetalFXのアップスケーリングのような技術を使えば、この2つを分離することができます。ゲームは非常に高いフレームレートで実行され、非常に優れた品質の結果を得ることができます。そして、iPhoneのディスプレイであれ、外部ディスプレイであれ、ディスプレイの解像度を問わずアップスケールすることができます。つまり、iPhoneはこれらの4Kディスプレイに接続することができ、他のディスプレイへのゲーム配信など、iPhoneで行うあらゆることを外部で行うことができるのです。解像度とフレームレートは、実際のゲームの内容に大きく依存します」。

Millet氏は、パフォーマンスと品質などの完璧なバランスを取るのは開発者次第であるとも付け加えた:

「ディスプレイ自体には、本当に素晴らしいスケーリング技術が組み込まれています。GPUはスケーリングができます。そのため、レイトレーシングやメッシュシェーディングのような機能や、この非常に高度なコンピュート・アーキテクチャーによって、開発者は、コンピュートとクオリティ、パフォーマンス、フレームレート、解像度の最適なバランスを見つけ出すために、これらすべてのアルゴリズムにアクセスすることができます。そして、私たちはソフトウェアとシステムレベルでそのすべてを統合します。私たちは、持続可能で、高性能で、バッテリー寿命が長く、快適な持ち心地で素晴らしいゲームをプレイできるようにします。ですから、パフォーマンスとバッテリー寿命が持続可能であることを確認することも含め、ゲーム体験を素晴らしいものにするために全体を設計したのです。私たちは、それが成功したと信じています」。

また、iPhone 15 Proで発表されたゲームがAppleシリコンを搭載したiPadやMacとも互換性があるかどうかは、開発者と協力して検討中であるとのことである。

最後に、Appleは第三者製のコントローラーの使用を特に推奨しているわけではない。これはユーザーと開発者の選択に委ねられているとのことだ。

このように、AppleはiPhone 15 Proを単なるスマートフォン以上のデバイスとして位置づけている。多くの先進的なゲーム機能を持ち運び可能な形で提供するこの新しいデバイスは、高性能なゲームコンソールとしてもその能力を発揮する可能性があるだろう。


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masapoco

TEXAL管理人。中学生の時にWindows95を使っていたくらいの年齢。大学では物理を専攻していたこともあり、物理・宇宙関係の話題が得意だが、テクノロジー関係の話題も大好き。最近は半導体関連に特に興味あり。アニメ・ゲーム・文学も好き。最近の推しは、アニメ『サマータイムレンダ』

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