Appleが先日発表した、新たなiPhone 15 Pro及びiPhone 15 Pro Maxに搭載された全く新しい3nmチップセット「A17 Pro」は、Apple自身によって、先代A16 Bionicよりも最大20%高速であると報告されていたが、その実際の性能の一端が、GeekBenchの結果によって明らかになった。
GeekBenchの結果から合わせて明らかになったことは、噂の通りiPhone 15 Proモデルは8GBのRAMを搭載していることだ。それはさておき、GeekBenchによると、2つの高性能コアは3.78GHzで動作しており、高効率コアに関する情報はない。ここで思い出して欲しいのだ、A16 Bionicで動作している高性能コアのクロックは3.46GHzであったことだ。A17 Proでは、わずかな周波数の差ではあるが、製造工程が異なるため、実際にこの部分でも差が出ている。
だが、実際のベンチマークテストの結果は少し残念な物だった。A17 Proはシングルコアとマルチコアのスコアで、2,914ポイントと7,199ポイントだった。
ちなみに、筆者の環境(iOS 17)ではあるが、A16 Bionicを搭載したiPhone 14 Pro Maxでは、シングルコアが2,643ポイント、マルチコアが6,886ポイントだった。
結果を比較してみると、A17 Proはシングルコアで10%、マルチコアで5%弱の差しかない。CPU性能の10%アップというのは、Appleのアナウンス通りではあるが、3nmプロセスへの移行による当初の予想を下回るパフォーマンス向上だ。
この数字を見ると、AppleはiPhone 15 ProとiPhone 15 Pro Maxでバッテリー容量を削ったにもかかわらず同じ駆動時間を確保するために、新しいチップセットで意図的に性能を落としているのではないかと勘ぐってしまう。これを確認する方法はないが、既にiPhone 15 Pro Maxの両方が、ビデオ再生、ストリーミング、オーディオ再生のテストでiPhone 14 Pro Maxとバッテリー持続時間であることが明らかになっているが、これらの結果からも、バッテリー容量が今年小型化された可能性を示唆しており、Appleは最新のフラッグシップ機からより多くのバッテリー持続時間を得るためにA17 Proのクロックを下げたのかもしれない。
ただし、GPUスコアに関しては不明だ。AppleはA17 Proにおいて、GPUで「史上最大の再設計」を実施したとしており、その性能向上に胸を張っていたため、そちらが本命である可能性もある。
また、そもそもこれが発売前のリークであり、実際の数値は販売後に正確な物が明らかになるため、少し眉につばを付けて見るのもいいかも知れない。
Sources
- GeekBench: iPhone16,1
- via MySmartPrice: Apple iPhone 15 Pro and 15 Pro Max Geekbench Scores Revealed: Runs A17 Pro Chipset, 8GB RAM
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