地球から最も近いブラックホールは想像以上に近い位置にある

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おうし座には、ヒアデス星団と呼ばれる数百個の星が集まった星団がある。この星団は、地球からわずか150光年という宇宙で言えば同じ町内会レベルの距離にあるが、どうやら恒星質量のブラックホールを抱えている可能性があるのだ。

星団にブラックホールが潜んでいるという考えは新しいものではない。星団にはしばしば、やがて中性子星やブラックホールになるような大きくて明るい星がある。問題はそれを証明することだ。ブラックホールが近くの物質を活発に消費していない限り、明るい星団の中ではブラックホールは暗くて見えにくい。そのため天文学者は、ブラックホールを発見するために間接的な観測を行わなければならない。

ブラックホールを探すために、研究チームはガイア探査機によるヒアデス星団の観測とN体コンピュータ・シミュレーションを比較した。ヒアデス星団は開けた星団であるため、重力的な結合は緩やかである。時折、2つの星が接近遭遇すると、そのうちの1つが星団の外に放り出される。また、他の接近遭遇によって星団中心部に押しやられ、星団との結びつきが強くなることもある。これらすべてが、星団内の星の密度が中心からの距離によってどのように変化するかに関わっている。

研究チームが比較したのは、ハーフマス半径と呼ばれるものだ。これは、星団の質量の半分が収まる半径である。ブラックホールがいくつか存在すれば、銀河団の密度はわずかに高くなり、半質量半径は小さくなるはずである。もう一つの側面は中心密度であり、ブラックホールが存在する場合は少し急増するはずである。これらのことから、N体シミュレーションとガイアのデータを比較したところ、最も良いモデルは2つか3つの恒星質量のブラックホールが存在することを予測していることがわかった。

残念ながら、この結果は決定的なものではない。観測データでは2~3個のブラックホールが最も適合しているが、ブラックホールがないモデル、あるいは5個までのモデルもまだ妥当な適合である。また、星団の中心部の密度スパイクは、ガイアの観測では観測できるほど高感度ではなかった。研究チームは、万が一ブラックホールを周回する星があった場合に備えて、連星の候補となる星団内の56個の星も調べたが、ブラックホールの伴星と一致するものはなかった。

したがって、ヒアデス星団に恒星質量のブラックホールが存在する可能性は十分にあるが、それを確かめるにはさらなる観測が必要だ。そうして初めて、我々の中に怪物が潜んでいるかどうかがわかるのだ。


論文


この記事は、BRIAN KOBERLEIN氏によって執筆され、Universe Todayに掲載されたものを、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(表示4.0 国際)に則り、翻訳・転載したものです。元記事はこちらからお読み頂けます。

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TEXAL管理人。中学生の時にWindows95を使っていたくらいの年齢。大学では物理を専攻していたこともあり、物理・宇宙関係の話題が得意だが、テクノロジー関係の話題も大好き。最近は半導体関連に特に興味あり。アニメ・ゲーム・文学も好き。最近の推しは、アニメ『サマータイムレンダ』

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