中国は、2030年までに人類を初めて月面に送り込むことを目標に、有人月面着陸計画を最終調整している事が明らかになった。
中国・湖北省武漢で開催された第9回中国(国際)商業航空宇宙フォーラムで、中国有人宇宙局(CMSA)の副主任設計者であるZhang Hailian氏は、2030年までに2人の宇宙飛行士を月に送り込む予備計画を発表した。
7月12日に行われた発表では、これらの宇宙飛行士を送り込み、サンプルの収集を含む多くの科学的作業を実施することを目的としていることが概説された。
中国の月面着陸計画
商業航空宇宙フォーラムで説明されたミッションは、有人宇宙船と着陸船セグメントを2基の長征10号ロケットで別々に打ち上げるものである。
初の有人ミッションでは、クルー宇宙船と着陸船は軌道上でランデブーした後、月面に着陸する。新しいクルー宇宙船の質量は26トンで、すでに高高度での飛行試験が行われている。
一方、着陸区間は着陸船と推進ステージで構成され、質量は約26トン。推進ステージは、月周回軌道に入り、月面に降下して軟着陸した後、宇宙飛行士を月周回軌道に帰還させるために使用される。
このミッションには、航続距離10km、質量200kgの月探査車も含まれ、2人の宇宙飛行士を乗せることができる。中国はまた、一度に最低8時間働かなければならない月面作業用の宇宙服も開発している。
月へ宇宙飛行士を運ぶ中国の長征10号
中国は現在、長征9号と10号を開発しており、9号はSpaceX社のStarshipと同様の完全再使用型打ち上げシステムとして、10号は中国初の有人宇宙飛行ミッションを月面に送り込むロケットとして構想されている。
長征10号は3段式のロケットで、第1段には直径5メートルのコアが3つある。17トンのペイロードを月面に送り込むことができる。より小型の2段式である長征10Aロケットの試験打ち上げは2027年に予定されている。
中国は5月、2030年までに宇宙飛行士の月面着陸を目指すと正式に発表した。中国宇宙局(CNSA)は、2030年代に国際月研究ステーション(ILRS)と呼ばれる月面基地を建設することを目指している。
一方NASAは、1972年のアポロ17号以来となる有人月面着陸を、現在2025年に設定されているアルテミス3号ミッションで実現しようとしている。また、アルテミス計画で月面に恒久的な存在を確立することも目指している。
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