Googleが昨年発売したPixel 7及びPixel 7 Proは、カメラ機能で大幅な進化を遂げ、同社の掲げる“コンピューティショナル・フォトグラフィー”の威力を見せつけるに十分な結果を残した。だが、Android Authorityが独占的に入手した情報によると、Googleの次期Pixel 8とPixel 8 Proではカメラ自体に大きなアップデートが施され、更なる性能の強化が見込まれそうだ。

新センサーの採用で画質の大幅強化が見込まれる

大きな変更の1つは、Pixel 6と7で使用されたSamsung製のカメラセンサーISOCELL GN1から、その後継となる50MPプライマリーカメラセンサー、ISOCELL GN2センサーへとアップグレードされることだ。Samsung Galaxy S22およびS23でも採用されているこのセンサーは、ISOCELL GN1よりも約35％多くの光を取り込むことができ、大幅な画質向上が期待できる。また8Kビデオ撮影やスタッガードHDRなどの高度な機能にも対応している。スタッガードHDRについては以前にもリークにより、Pixel 8シリーズで採用される可能性についてお伝えしたが、短時間露光と長時間露光をほぼ同時に行う撮影方法のことで、これによりゴーストなどの発生も抑えられる。

加えて、Pixel 8 Proには、独占的に「8×8 ToF VL53L8」センサーが採用され、以前のモデルと比較してオートフォーカス機能が大幅に強化される可能性があるという。

なお、先にリークされたProモデル用の温度センサー「Melexis MLX90632」は、あくまで温度センサーであり、赤外線画像機能は備えていない。

Pixel 8とPixel 8 Proは、更に超広角カメラもアップグレードされるようだ。Pixel 8 Proは6,400万画素のSony IMX787センサーを搭載し、現行で採用されている1,200万画素センサーから大幅に改善されるとされている。そして、Pixel 8は、Sony IMX386ウルトラワイドセンサーの採用になり、1,200万画素に留まるようだ。つまり、Pixel 8 ProとPixel 8では、7シリーズで見られた望遠性能だけではなく、超広角カメラにも大きな差が生まれ、更にオートフォーカス性能にも差が生じる可能性があるということだ。

加えて残念な点として、Pixel 8 ProにはPixel 7 Proにはあったマクロモードが搭載されない可能性があるとのことだ。

ちなみに、Pixel 8 Proの望遠レンズやPixel 8シリーズのセルフィーカメラの変更は報告されていない。

ハードウェアの改良に加えて、Googleカメラアプリも大きなアップデートが見込まれるようだ。アップデートには、「シネマティック」モードにおけるボケレベル選択の導入や、シーンに応じてLEDフラッシュの強度を調整する「アダプティブトーチ」機能などが含まれる可能性があるという。

加えて、「セグメンテーションAWB」と呼ばれる、AIを使用してシーンをさまざまなセグメントに分割し、それぞれに最適なホワイトバランスを適用する機能が登場するという。

GoogleがPixel 6シリーズとPixel 7シリーズでは同様のカメラセンサーを採用していたことから、Pixel 8シリーズで新たなセンサーを採用する事で大きなカメラ性能の向上が見られる可能性があることはユーザーにとって楽しみな報告だ。Googleはソフトウェアによる写真画質の改善を追求してきたが、やはりカメラセンサーを大型化することなく視覚的な強化を図ることには限界もあるだろう。

Sources

• Android Authority: Exclusive: These are the leaked camera specs for the Google Pixel 8 series