NVIDIAは、突然のテクノロジー業界のAI特需を受け、ここ数ヶ月高い評価を得ている。同社のデータセンター用GPUは、AIトレーニングのためのゴールドスタンダードとみなされているため、NVIDIAはまさに金の卵を産む鶏を手に入れたわけだが、ただ、1つ問題がある。それは、この需要に応えるため、TSMCがより多くのチップをすぐに作り始める必要があるということだ。NVIDIAのデータセンター用GPUは現在、非常に高い需要があり、eBayではGPU1個が約4倍の価格でも取引されている状況だ。
現在、TSMCはこの問題への取り組みを強化している。DigiTimesの新しいレポートによると、TSMCはNVIDIAのGPUに必要なCoWoS(チップ・オン・ウェハ・オン・サブストレート)を含む高度なパッケージングの生産能力を増強し始めたとのことだ。このパッケージは、ハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)設計で使用され、チップは高帯域幅メモリ(HBM)を備え、グラフィックスではなく、コンピューティングに重点を置いている。TSMCのこの分野への投資は、Nvidiaの当面のニーズ以上の理由で賢明なものだ。
DigiTimesによると、TSMCはNVIDIAに対し、2023年の間、CoWoSチップの生産量を1万枚増やすことができると伝えたという。1枚のウェハーから製造できるGPUの数を考えると、これはおよそ60万個のGPUを販売できることになる。NVIDIA以外のTSMCの顧客がこのタイプのパッケージを使用しているのか、またNVIDIAのニーズが彼らの注文に影響を与える可能性があるのかどうかはまだわからない。TSMCがNVIDIAを優先するのは、市場におけるNVIDIAの存在感の向上を考えれば、驚くことではないだろう。また、NVIDIAが、古いA100や新しいH100データセンターモデルなど、ある特定のGPUの生産を優先しているのかどうかも不明である。
全体として、TSMCとNVIDIAの両方が、この分野に投資するのは時代の流れを考えれば当然だろう。今、NVIDIAのチップには、ゲーム用GPUが大流行したときと同じように、その需要には限りがない様に思われる。また、アナリストは、NVIDIAが最終的にはGeForceラインよりもAIハードウェアで知られるようになるかもしれないと予測しているため、NVIDIAが向かう方向を示す可能性もある。同社はすでに、後者よりも前者の製品でより多くの収入を得ており、この傾向は2022年後半に始まった。2016年当時は、第3会計年度にデータセンターから2億3000万ドル、ゲーム収入でその利益の大半を稼いでいたのだから、この逆転現象は興味深い。
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