あなたの好奇心を刺激する、テックと科学の総合ニュースサイト

Bigscreenが「世界最小・最軽量」のVRヘッドセット「Beyond」を発表

ソーシャルVR視聴アプリBigscreenは、「世界最小」のVRヘッドセットと謳う「Beyond」を発表した。

このヘッドセットは、ストラップ付きでも127gと非常に軽量で、最薄部は24mmであるにも関わらず、片目あたり2,560×2,560 90Hz OLEDディスプレイを2枚備え、6DoF SteamVRトラッキングに対応、3素子パンケーキ光学系を搭載し、スクリーンドア効果(ピクセル間の隙間が見える)を排除しつつ、かさを減らし、93度の水平視野を提供している。

ただし、最軽量を実現するために、いくつかの機能をそぎ落としていることは注意が必要だ。まず、Bigscreen Beyondは、ユーザーが理想的なフィット感を得るための調整機構はほとんど搭載しておらず、注文段階でiPhoneアプリを使ってユーザーの顔情報をスキャンして、カスタムデザインのヘッドセットを制作し提供する形となっている。普段メガネをかけている人は、裸眼での視力を補正するレンズをオーダーする必要があるとのことだ。

また、6DoFトラッキングは、内蔵カメラではなく外部のSteamVRトラッキングベースステーションによって実現する。ベースステーションは別売りだ。そして、こと、内蔵ヘッドフォンはなく、別売りの「オーディオ・ストラップ」(別売り99ドル)が必要となる。そして、当然のことながら、スタンドアローンでの利用は出来ず、リンクボックスを通じてPCと接続して利用することになる。

創業者兼CEOのDarshan Shankarは、プレスリリースで、「今日の主要なVRヘッドセットは、2016年のヘッドセットと比較して重量が2倍になっています”。私たちがBeyondを作ったのは、VRが重く、かさばり、不快に感じると思ったからです。快適性を高めるために新しい技術を発明し、没入感を高めるために有機ELマイクロディスプレイやパンケーキ光学系などの超ハイエンドコンポーネントを開発しました。Bigscreenで映画を見るための最高のソフトウェア体験を提供するために、私たちはBigscreen Beyondで最高のハードウェアも構築する必要がありました。」と、述べている。

昨年、このスタートアップは、Andreessen HorowitzとTrue Venturesが主導した資金調達で、300万ドルのシリーズAエクステンションを調達している。これは2017年の1100万ドルのシリーズAに続くものだ。当時、Bigscreenはその名の通り、OculusやViveといったプラットフォーム向けに動画を視聴するためのソフトウェアの開発に注力していた。その提供物の中には、映画館での体験を再現するように設計されたアプリがあった。現在までに、同社は1700万ドルを調達している。

Beyondは本日より999ドル(日本円では164,800円)で予約受付を開始しており、米国では今年の第3四半期(夏頃)に出荷される予定だ。カナダとヨーロッパでは第4四半期に、オーストラリア、ニュージーランド、日本では年末に出荷される予定となっている。その他の国は2024年に登場する。納期の長さは、カスタマイズされたヘッドセットに必要な製造時間の長さにあるようだ。

Bigscreen Beyondの仕様

ディスプレー解像度5120 x 2560 ピクセル (片目あたり 2560 x 2560) 最大 90Hz
視野 (FOV)93° HFOV x 90° VFOV
1 度あたりのピクセル数 (PPD)28°
瞳孔間距離 (IPD)56mm-74mm に対応 (デバイスごとに固定 IPD、58mm-72mm)
光学タイプカスタム パンケーキ オプティクス
6DoFトラッキングSteamVR トラッキング
バージョンV1.0 または V2.0 ベースステーション。含まれていない。
コントローラーSteamVR コントローラー (Valve Index、HTC Vive など)。含まれていない。
全身トラッキングSteamVR トラッカー (例: HTC Vive トラッカー、Tundra トラッカー)。含まれていない。
オーディオ内蔵されていない (オーディオ用の USB C ポート)、またはオプションのオーディオ ストラップ
ポートUSB-C アクセサリ ポート (USB 2.0)
マイク入力ステレオマイク
パソコン接続DisplayPort 1.4 (ビデオ) およびデュアル USB 3.0 ポート (電源、データ)
アクセサリ ポートUSB-C (USB 2.0 スピード)
ケーブル5 メートルのカスタム光ファイバー ケーブルとリンク ボックス

PC要件

CPUクアッドコア Intel または AMD
GPUNvidia RTX 2070 または AMD RX 5700 XT 以降 (DisplayPort 1.4 および DSC が必要)
ポート1 x DisplayPort 1.4、2 x USB 3.0 ポート

Source

Follow Me !

この記事が気に入ったら是非フォローを!

Share!!

関連コンテンツ

執筆者
Photo of author

masapoco

TEXAL管理人。中学生の時にWindows95を使っていたくらいの年齢。大学では物理を専攻していたこともあり、物理・宇宙関係の話題が得意だが、テクノロジー関係の話題も大好き。最近は半導体関連に特に興味あり。アニメ・ゲーム・文学も好き。最近の推しは、アニメ『サマータイムレンダ』

記事一覧を見る

コメントする