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Servo Webエンジンの開発が本格化 – 2023年ロードマップが公開

RustベースのオープンソースWebエンジン「Servo」が2023年の開発計画を発表した。

Servoは、Rustベースの実験的なブラウザエンジンで、当初はMozillaの研究部門が開発していたが、後にコミュニティが維持するプロジェクトとして2020年にThe Linux Foundationに委譲された。

これまで、目立った開発は行われていなかったが、本日開発チームによって発表された2023年のロードマップからは、今年に入って状況が大きく変わる事が期待できそうだ。

Servoは、新たに外部による資金の注入があったことから、復活を遂げることとなった。ロードマップの公開は、開発チームの決意の表れでもあろう。

声明の中で彼らはこう述べている。

広報のトリアージとレビュー、プロジェクトに関する広報活動、TSCミーティングのアレンジなど、通常の活動をすべて再開しています。

また、より多くの協力者、パートナー、スポンサー候補を集め、このプロジェクトに参加し、資金を提供するためのアウトリーチ活動も行う予定です。

また、2023年に達成したい7つの目標も共有している。

  • プロジェクトの再活性化:2023年末まで続く第1ステージで、サーボプロジェクト全体を再活性化させる。
  • プロジェクト・アウトリーチ:GitHubページでの活動再開を契機に、プロジェクトの普及活動を行う予定。これは、より多くの協力者、企業、パートナーを惹きつけ、プロジェクトへの貢献や資金提供に興味をもってもらうために行われる。
  • 主な依存関係のアップグレード:WebRenderやStyloなど、Servoの依存関係が老朽化しており、アップグレードが必要なものがいくつかあるので、それらに取り組む予定だ。
  • レイアウトエンジンの選択:現在、Servoには2013年版(オリジナル)と2020年版(新)の2つのレイアウトエンジンがある。今後、コントリビューターやコミュニティとともに、長期的にどちらのオプションを採用するか決定していく予定だ。
  • CSS2の基本的なサポートに向けた進展:上記の2つが完了した後、CSS2への基本的な準拠に向けて作業を行う予定だ。
  • Android 対応の検討:Androidへの対応については、過去に実験を行ったことがあるため、他のプラットフォームと合わせて可能性を探っていきたいとのこと。
  • エンベデッドWebエンジンの実験:ロードマップの最終段階として、Servoを「組み込み可能なウェブレンダリングエンジン」にすることを目指している。

この点については、組み込み機器上で何らかのServoのデモを走らせたり、Tauriのような既存のプロジェクトに目を向けたりして、可能性を探っているところである。

Rustを利用したWebエンジンは驚異的で、実際にGeckoよりもベンチマークテストでは優れているため、今後開発が進むことは大いに歓迎すべき事だ。

さらに、私たちがほとんど毎日使っているものに、別のオープンソースの代替手段があることは悪いことではない。私たちに多くの選択肢を与えてくれる事だろう。ゆくゆくは、FirefoxにServoが搭載される事もあり得なくはないような、そんな事を考えさせられるニュースだ。


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masapoco

TEXAL管理人。中学生の時にWindows95を使っていたくらいの年齢。大学では物理を専攻していたこともあり、物理・宇宙関係の話題が得意だが、テクノロジー関係の話題も大好き。最近は半導体関連に特に興味あり。アニメ・ゲーム・文学も好き。最近の推しは、アニメ『サマータイムレンダ』

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