オンラインでノートを作り、共有する道を切り拓いた「Evernote」は、急激な成長を遂げたが、その後には相次ぐライバルの台頭による収益性の低下により、近年この老舗も存続の危機にさらされるのではないかとの懸念がついて回っていた。だが、その噂もついに終わりを迎えたようだ。本日、EvernoteはBending Spoonsによって買収されたことを発表した。
Bending Spoonsという名前は、恐らく多くの人が聞き覚えのないものだろう。ビデオエディター「Splice」やAI画像編集ツール「Gemini」といったモバイルアプリを手がけるイタリアのデベロッパーだ。
買収の一環として、Evernoteは、Bending Spoonsの既存アプリのラインナップに加わることになる。EvernoteのCEOであるIan Small(イアン・スモール)氏は、この買収により、同社はBending Spoonsの「実績あるアプリの専門知識と幅広い独自技術」を活用し、新機能の構築に取り組めるようになるとしている。
「我々は、顧客と従業員に感謝し、Bending Spoonsと提携することに興奮しています。この戦略的買収は、EvernoteのTeams、Professional、Personal、Freeの各製品において、広範囲かつ加速度的に改善されることを意味しており、世界中のEvernoteファンにとって素晴らしいニュースです。」と、買収の際によく聞かれる定型文で声明を発表している。
2008年に登場したEvernoteは、最初のノートアプリの1つとして人気を博した。しかし、近年はNotionのような類似の生産性アプリが登場し、このアプリは顧客の維持に苦労していた。また、2016年には、従業員にコンテンツを見られるようにする新しいプライバシーポリシーを実施しそうになり、炎上したこともあった。
同社は最終的にこのポリシーを撤回したが、アプリの使用を2台のデバイスのみに制限するという無料版に課された新たな制約など、使い勝手の低下などの相次ぐネガティブな要因によって一部のユーザーはこのプラットフォームから遠ざかることになった。また、2020年にEvernoteがバージョン10にアップグレードした際には、アプリからいくつかの機能が削除され、多くのユーザーがデバイス間でのパフォーマンスの問題を報告したため、数多くの苦情が寄せられており、Evernoteは現在もこれに悩まされている。
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