英国政府が世界初の商用核融合炉を2040年までに稼働させることを発表

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英国政府は、2040年までに世界初の商業用核融合炉を稼動させることを発表した。完成すれば、理論上は事実上無限のクリーンエネルギーを提供できるこの施設は、ノッティンガムシャーのウェスト・バートンに建設される予定だ。

英国は世界初の商用“核融合”発電所の建設を目指す

英国は、1950年代に世界初の商業用核分裂炉を製造した国だが、もし今回の発表が実現すれば、世界にその威厳を示すことになるだろう。

英国のJacob Rees Mogg商務長官が10月3日に開催された英国保守党会議で、今回の発表と、その建設場所を明らかにした。

「この工場は、2040年までに建設され、エネルギーを送電網に乗せることができる、この種のものとしては初めてのものとなる。そうすることで、核融合エネルギーの商業的な実現可能性を世界に証明することになる。」と発表した。

westburton
建設地のウェストバートン (Credit: Google Maps)

核融合エネルギープラントを実現するSTEP(Spherical Tokamak for Energy Production)計画では、政府は2億2,000万ポンド(348億円)以上を拠出することを表明している。しかも、このプラントは未開拓の土地には建設されず、廃炉になる予定の石炭火力発電所の跡地に建設される予定だ。完成すれば、100億ポンド(1兆6,000億円)規模のプロジェクトになると予想されている。

政府によると、このプロジェクトの開発により、英国に多くのハイテク企業が進出し、建設・運営を通じて数千人の高スキルの雇用を生み出すことも期待されている。

12月の入札を控え、政府は8月からプロジェクトの建設パートナー探しを開始した。このプロジェクトでも、すでにAtkinsがエンジニアリングパートナーとして決定している。

しかし、研究者たちは、この技術の実用化には大きな障害があるとしている。

発電所はどのように機能するのか?

理論的には、核融合は石炭、石油、ガスの約400万倍のエネルギーを生産し、二酸化炭素を排出しない。

しかし、商業プラントとして機能させるには、いくつかの課題を克服する必要がある。特に、大量のガスを摂氏1億度の温度まで加熱することが挙げられる。

国際エネルギー財団は、商業炉の開発は “挑戦的でコストがかかる “と警告している。

STEPの設計は野心的だが、他の原子炉設計ではたびたび問題が発生している。

例えば、南仏に35カ国の協力で建設中の巨大施設「ITER」がある。ITER計画は、核融合が消費以上のエネルギーを生み出せるかどうかを検証する実験であり、人々の家庭の電力にはならない。

2050年の打ち上げを予定していたにもかかわらず、現在では予算オーバーで予定より遅れている。

「ITERが遅れている理由の一つは、本当に、本当に難しいということです」と、英国原子力庁の最高責任者である Ian Chapman教授はBBCに説明している。

「私たちがやっていることは、技術の世界で知られていることの壁を根本的に押し広げているのです」と彼は付け加えている。

しかし、科学者たちは前進している。英国のJET(欧州合同トーラス)施設は今年2月、2種類の水素を融合して発生させたエネルギー量について、それまでの記録を更新した。

この実験では、5秒間で11メガワットの電力(59メガジュールのエネルギー)を発生させ、60個のやかんの水を沸騰させることができた。

そもそも核融合とは何か

核融合は、太陽が熱を発している営みそのものだ。原子の衝突と融合(核融合)により、大量のエネルギーが放出され、私たちはそれを利用して無限に近い電力を生産することができるだ。

星では、1ミリ秒ごとに何トンもの水素原子が衝突し、熱や光を発生させている。水素原子が原子の結合を破壊し、より重いヘリウム原子を生成する際に、熱と光が発生する。

研究者は、この技術を地球上で繰り返すつもりだが、そのために水素ガスを1億度以上に加熱する必要があるのだ。

この温度ではどんな物質も直接接触することはできないので、「トカマク」と呼ばれる装置の中で、超高温の原子を強力な磁石で引き寄せる必要があるのだ。

核融合炉は何か問題が起きると止まってしまうので、この膨大な熱を放出する危険性はなく、安全性が高い。

核分裂を利用する既存の原子力発電所とは正反対となる。核分裂は、原子核を結合させるのではなく、原子核を効率よく粉砕し、引き裂いてエネルギーを放出させる方法だ。

また、核分裂は、核融合と同じようにエネルギーを生み出すが、有害な放射性物質を生み出す。核融合では、放射性物質が発生する心配がない。

先月、ボリス・ジョンソン元首相がサフォーク海岸にあるサイズウェルC原子炉に7億ポンドを寄付したことで、核分裂と核融合の発展への取り組みに弾みがついた。

フランスの国営企業EDFエナジー社とともに建設中のこのプロジェクトの最終的な費用は200億ポンドと予想されている。7月、サイズウェルCは計画許可を得た。

英国を初め世界各国が核融合に多額の投資を行っているが、日本の未来はどうだろうか。

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