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SamsungがDDR3メモリの製造を段階的に縮小し、DDR5メモリ生産に集中。更にDDR4の価格も引き下げへ

コンシューマ向けPC市場の縮小に伴い、需要の低下が予測され、DRAMの価格が下落傾向にあることは既にTrendForceから報告されていたが、今回Samsungが、DDR5メモリ製造をより速いスピードで進めるために、同社のDDR4チップのコストを引き下げたとDigiTimesは報じている。

SamsungはDDR4メモリの価格を下げてDDR5の製造にシフト

Samsungは、過剰在庫気味になってきているDDR3メモリモジュールのチップ生産を縮小し、コスト効率の高いDDR4メモリの販売戦略に力を入れているが、これを推し進めるようだ。さらに同社は、古いDDR3メモリの過剰在庫を一掃するのと合わせて、より採算性の高いDDR5メモリの製造を加速し、多くのデバイスで採用されることを期待している。

IT Homeによると、DDR3サプライヤーも “受注維持のため “に同じような動きを見せているとのことだ。特にAsusは、半年間の生産の在庫を抱えていると言われており、おそらく現在必死に販売しようとしている。既にTrendForceが報じていたように、家庭向けPCをはじめとする家電製品の需要が軟化していることを受け、アナリストは今後数ヶ月の間に価格下落が更に拡大すると予想している

7月だけで、4Gb DDR4メモリの契約価格は約8%下落した。ただ、主要サプライヤーの値下げは製造コストから見て「不合理」であると情報筋は述べている。また、消費者向けDRAMの価格は第3四半期に15%下落すると見られている。

また、SamsungとSK Hynixは、DDR3メモリの生産を段階的に縮小する一方で、旧生産ラインから新生産ラインへの転換を加速し、DDR5チップの生産を拡大している。ただし、業界関係者によると、このままの戦略では市場全体でDRAMの成長が限定的になってしまうことが懸念されるとのことだ。

また、この積極的な価格戦略をSamsungが取るのはこれが初めてではない。2015年6月には、同社が市場シェアを拡大するためにDDR4モジュールの価格を引き下げたと報じられた。Samsungは膨大なリソースを持つため、値下げによるシェアの拡大が結果的に利幅の低下を吸収できるが、他のメーカーはそううまくはいかない。20nmへの移行は、投資額が大きいため、いくつかのメーカーで延期されたこともあった。

当時はSamsungがDDR4の価格を引き下げたこと、また、当時はDDR3の価格が上昇傾向にあったため、結果的にDDR4とDDR3で価格差が縮小し、新しいメモリがより早く採用され、同社にとってより収益性が高い結果が得られた。

果たして今回も同様の結果がもたらされるのかどうか。

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masapoco

TEXAL管理人。中学生の時にWindows95を使っていたくらいの年齢。大学では物理を専攻していたこともあり、物理・宇宙関係の話題が得意だが、テクノロジー関係の話題も大好き。最近は半導体関連に特に興味あり。アニメ・ゲーム・文学も好き。最近の推しは、アニメ『サマータイムレンダ』

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