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次世代GeForce RTX 40シリーズのフラッグシップは800Wの電力制限に到達

NVIDIAの次世代グラフィックスカードは消費電力がもの凄いとのうわさは以前からあった。一時は1,000Wになるのではと言われたりもしたが、やはり発売前なので情報は錯綜しているのは仕方ないだろう。今回Kopite7kimi氏の最新の情報によると、どうやらフラグシップモデルは電力制限が800Wに設定されているようだ。

その前に、グラフィックスカードの電力制限とTDPを区別しておこう。電力制限は、設計上GPUが動作可能な最大ワット数で、GPUダイを守るためなどの安全のために設定される値のことだ。オーバークロックをどれだけ行っても、この値を超える事は出来ないという構造上の制限となる。これはカードのBIOSで定義されている。

一方でTDPとは、Thermal Design Power(熱設計電力)の略だ。マイクロプロセッサ(MPU/CPU)などの大規模な半導体チップについて、設計上想定される最大放熱量のことだ。すべての回路を全力で稼動させたときにどの程度の熱を発するかを表す指標となるが、そもそもTDP は最大発熱量を表すものであり、消費電力を表してはいないため、実際の消費電力とはならない。ただし、TDP から正確な消費電力はわからなくても、CPU で消費された電力の大半は熱に変わるため、最大消費電力の比較のための目安にはなる。

ハイエンドカードは電力制限に近い値でTDPが高く設定されており、冷却性能の高いクーラーを搭載したハイエンドカードならば、電力制限に近いところで動作させることができる。一方、メインストリーム向けのコンシューマーカードは、おそらくGPUの電力制限よりも大幅に低いTDPを設定されるだろう。

フラグシップGPUのAD102 は、これまでの情報では、132 から 140 の SM(Streaming Processor) が有効となり(最大 144 から)次期 GeForce RTX 4090 グラフィックカードに搭載されると見られている。また、RTX 4090カードは600W未満のTDPで出荷されるとの情報だ。しかし、最新のKopite7kimi氏の情報によると、AD102 GPUは800Wと言う前代未聞の電力制限を持つだろうと見ている。これはRTX 4090 Ti(仮)という更なるスペックのモデルが存在していることを示唆しているのではないかとのことだ。

また、AD103 GPUは、おそらく次期 GeForce RTX 4080 などで使用されると見られる。今日のリークによると、電力制限は450Wと、劇的に下がっていることが分かる。参考までに、現世代のGeForce RTX 3090とRTX 3080リファレンスカードは、BIOSで定義された最大電力制限がそれぞれ400Wと370Wである。

モバイル版に関してもkopite7kimi氏は言及している。デスクトップ版とモバイル版の電力制限の違いによって、大きなパフォーマンスの違いが生じているが、モバイル側のパフォーマンスに関してはこれまでのモデルに比べて大幅な向上が見込まれるようだ。

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masapoco

TEXAL管理人。中学生の時にWindows95を使っていたくらいの年齢。大学では物理を専攻していたこともあり、物理・宇宙関係の話題が得意だが、テクノロジー関係の話題も大好き。最近は半導体関連に特に興味あり。アニメ・ゲーム・文学も好き。最近の推しは、アニメ『サマータイムレンダ』

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