Googleがついに、新型フラグシップスマートフォン「Pixel 7」および「Pixel 7 Pro」を発表したが、Pixelシリーズを使ったことのある方は、このスマートフォンがどこか他社(SamsungやXiaomiなど)と違った形での性能を追求していることに気付かれているかもしれない。それは、Googleが提供する「ソフトウェア」による進化であり、新しいPixel 7シリーズに搭載されている「Tensor G2」チップも、その新しい機能をこなすことに特化したカスタマイズが行われている。
本稿では、内蔵VPNやクリアなオーディオなど、Pixel 7とPixel 7 Proに搭載された最新のGoogleソフトウェアを紹介しよう。
Tensor G2の機械学習機能のアップにより多数の新たな機能が実装
Tensorチップシリーズの展開において、Googleはハードウェアを機械学習とAI用途に集中して進化させており、実際スペックだけを見ると、他社フラグシップスマートフォンに搭載されているチップに比べるとかなり見劣りするものにはなる。だが、昨年のGoogleフォトのマジック消しゴムやGboardのGoogleアシスタントタイピングのような高度な機能は、Tensorチップにあって他社にはない「TPU」によって可能になっている。これはまさに、スペックシート上には表れない性能の違いといえよう。そしてGoogleのチップはPixel 7シリーズで、新しいTensor G2プロセッサとなり、次世代のTPUを搭載し、更なる機能が追加されている。
例えば、Pixel 7とPixel 7 Proは、iPhoneに搭載されている深度センサーのような特別なハードウェアを必要とせず、顔認証によるロック解除が可能になっている。これは自撮りカメラのデュアルピクセルオートフォーカス(DPAF)から得られる深度情報を使って、Pixel 7が、単なる写真ではなく、実際の顔を見ているということを理解できるようになっているからだ。ここには、次世代のTPUを積んだTensor G2チップの処理速度が役に立っている。
また、Tensor G2チップにより、Pixel 7シリーズでは、周囲の雑音を自動的に除去して、電話の音をこれまで以上にクリアに聞こえるようにすることができる「Clear Calling」が追加される。発売後しばらくして、Pixelのアップデートで登場する予定だ。
また、Googleフォトの古い写真の中で、ピンぼけになってしまっている写真を綺麗に修正する機能も、Tensor G2チップを搭載したPixel 7シリーズだからこそ可能な物となっている。
Pixel 7シリーズは、デジタルと身体のウェルビーイングを向上させるためにも登場する。安眠を促すために、Pixel 7には夜の電話の使用量を減らすための「デジタルウェルビーイング」ツール群が搭載されている。一方、Pixel 7ではオプションで咳・いびき検知機能も導入され、睡眠を妨げている可能性のあるものをより意識しやすくなっている。
また、Pixel 7とPixel 7 Proには、Google OneのVPNサービスを無料で利用できるようになっている。通常は月額1,300円の2TBプランへの加入が必要だが、Pixel 7の所有者はGoogleの安全なVPNにアクセスでき、トラフィックを暗号化して攻撃者から保護することが可能になる。無料のVPNはセキュリティ意識の高い人にとって嬉しい付加価値と言えるだろう。
ただし、この無料VPNアクセスには、Google Oneの他の特典は含まれておらず、やはり別途契約が必要であることだ。さらに、GoogleはPixel 7の無料VPNは「近日公開」としており、発売後すぐには利用できない可能性が高いようだ。
Pixel 7とPixel 7 Proには、次世代アシスタント、衝突検知、クイックフレーズ、ライブ翻訳(新たに数カ国語に拡大)など、素晴らしいGoogleソフトウェア機能がフルセットで搭載されている。さらに、刷新されたメディアプレーヤー、拡張されたテーマオプション、新しいクイック設定タイルなど、Android 13に含まれるすべての機能についても、もちろん利用可能だ。
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