Appleは2023年9月12日、新型iPhone 15の全4モデルにUSB-Cコネクタを採用する計画を発表し、USB-Cがデビューから9年を経てエレクトロニクス業界で選ばれるコネクタとなる一助となった。これによりAppleは、消費者向け機器に単一のコネクター・タイプを義務付ける欧州連合(EU)の法律に準拠することになる。
USB-Cは、ノートパソコン、タブレット、スマートフォンなどのモバイル機器やポータブル機器向けの小型で汎用性の高いコネクタである。高速でデータを転送し、ビデオ信号を送信し、デバイスのバッテリーを充電するための電力を供給する。USBはUniversal Serial Busの略。Cは、A、Bに続く3番目のタイプを指す。
USB技術の普及とサポートを行う1,000社以上の企業からなるコンソーシアム、USB Implementers Forumは、HDMI、DisplayPort、VGAのような他のタイプのポートだけでなく、旧型のUSBコネクタも置き換えるためにUSB-Cコネクタを開発した。その目的は、幅広いデバイスに対応する単一の汎用コネクタを作ることである。
USB-Cの主な特徴と利点には、どちらの向きでも挿入できるリバーシブル・コネクターが含まれる。また、以前のUSBケーブルやLightningケーブルとは異なり、デバイス間の接続やデバイスと充電器の接続のために、ケーブルの両端に同じコネクタを持つものもある。
USB-Cがエレクトロニクス業界で広く採用されることで、複数の種類のケーブルやアダプターの必要性を減らす普遍的な規格になる可能性が高い。また、そのスリムでコンパクトな形状により、メーカーはより薄く、より軽いデバイスを作ることができる。
USB-Cは物理的なコネクターを指す。コネクタは、USBやThunderboltプロトコルなど、さまざまなデータ転送プロトコル(データのフォーマットや処理に関する一連のルール)を使用する。USB-CはUSBとThunderboltをサポートしているため、ノートパソコン、スマートフォン、タブレット、モニター、ドッキングステーション、その他多くの機器の接続に適している。
最新のUSBプロトコルであるバージョン4は、ケーブルの定格にもよるが、最大40Gbpsのデータ転送速度を提供する。最新のThunderboltもバージョン4で、最大4040Gbpsのデータ転送と100Wの充電をサポートする。新たに発表されたThunderbolt 5は、USB-Cコネクターで最大80Gbpsと120Gbpsの転送と140〜240Wの電力転送をサポートする。
USB-Cが重要な理由
テクノロジーの進化が細分化されたため、10年前のコンピューター・ユーザーは、多すぎるコネクターに悩まされていた:データ用のUSB、充電用の電源ケーブル、ビデオ用のHDMI、DisplayPort、VGA、インターネット用のイーサネットなどだ。そのため、万能コネクターへの収束に向けた業界全体の取り組みが必要とされた。
2014年の登場以来、USB-Cは広く普及し、すでにApple以外のほとんどのデバイスで選択されるコネクタとなっている。Appleは2018年にiPad ProをUSB-Cに変更し、現在は最も売れているApple製デバイスであるiPhoneにも同じことを行っている。一部の市場予測では、USB-Cコネクタの販売数は2025年までに40億個近く、2033年までに190億個に達するとされている。
業界全体でUSB-Cが採用されたおかげで、消費者がポータブルデバイスの充電や同期を行うためにケーブルに手を伸ばしても、「これが正しいコネクタですか?」と尋ねる必要が無くなる。また、もしあなたがiPhoneユーザーで、新しいモデルを手に入れたとしたら、不要になったLightningケーブルをApple Storeに持ち込むなどしてリサイクルすることができる。
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