米国で、世界最大規模の太陽光発電と蓄電池による大規模な再生可能エネルギー複合施設プロジェクト「Edwards & Sanborn Solar and Energy Storage」が本格稼働を開始した。
この施設では、875MW(メガワット)の太陽光発電を行い、12万個以上のバッテリーに約3.3GW(ギガワット)時のエネルギーを蓄えることができる。この蓄電のおかげで、電力需要が高い時期や日照がない時期でも電力を供給し続けることができる。また、1.3GWの相互接続容量でグリッドに接続することもできるのだ。
太陽光発電には、First Solar社の190万枚のソーラーパネルが、また、バッテリーはLG、Samsung、BYDの製品が使用されている。
Edwards & Sanborn Solar and Energy Storageは、地球上で最も日照時間の長い土地の1つである、モハーヴェ砂漠に位置し、カリフォルニア州カーン郡にあるエドワーズ空軍基地の一部に位置する。総面積は1,886ヘクタールであり、システム全体をつなぐために、724km以上の配線が用いられている。
これは米国防総省史上最大の官民パートナーシップである。このプロジェクトには1,000人以上の労働者が参加した。
大手建設・エンジニアリング会社のMortensonがこのプロジェクトを建設した。2021年初めに着工し、2023年2月に稼働を開始。2024年1月にはフル稼働に達した。プロジェクトの規模は、2024年1月12日にランドサット9号衛星によって撮影された以下の写真で確認出来る。
太陽光発電は、気候変動の主な原因である化石燃料への依存を減らすことができるため、再生可能エネルギーへの世界的な移行において重要な要素である。しかし、太陽光発電は、太陽光の断続性や太陽光発電インフラが環境に与える影響など、いくつかの課題にも直面している。
太陽光発電の電力は、特にピーク時や曇りの日など、信頼性の高い継続的な電力供給を確保するために、バッテリーに蓄える必要がある。しかし太陽光発電の蓄電池は通常、リチウムやコバルトなどの希少材料でできたリチウムイオン電池に依存している。これらの金属の採掘は環境にとって非常にリスクが高く、地域社会や生態系を危険にさらす可能性がある。
また、太陽光発電はパネルや関連機器を設置するために多くの土地を必要とする。モハーヴェ砂漠は近年クリーンエネルギー開発が進み、多くのソーラーファームで埋め尽くされている。
また、この土地と精神的に深いつながりを持つネイティブ・アメリカンの部族あからの反発も根強い。そして、生態系の破壊にも繋がるという批判も少なくないようだ。
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