iPhone 14 Proモデルに搭載されているA16 Bionicチップの製造コストは110ドルとなり、iPhone 13シリーズに搭載されているA15 Bionicと比べてと2.4倍となり、製造コストが大幅に上がっていることが、日本経済新聞による分解調査で明らかになった。
日本経済新聞: iPhone14分解、部品コスト2割上昇 4ナノ半導体搭載
iPhone 14 Pro Maxの部品コストは初の500ドル超え
日本経済新聞は、東京に拠点を置く調査会社、フォーマルハウト・テクノ・ソリューションズの協力の下、iPhone 14シリーズの3つのモデルを分解し、プロセッサやカメラ部品などのコンポーネントを調査した。同紙によると、新シリーズの製造コストは前世代のiPhoneより2割ほど高いとのことだ。
製造コストの総額として、iPhone 14 Pro Maxの生産にAppleは501ドルの部品を使用し、iPhone 13 Pro Maxの製造コストから、およそ60ドル以上増加したとの結果が報告されている。2018年のiPhone XS Maxのデビュー以来、Maxモデルのパーツ価格は400ドルから450ドルの間で推移していたため、500ドルを一気に超えてきたことは驚きであり、製造コストの急上昇であると同紙は述べている。
コスト上昇の要因は、iPhone 14 Proモデルに搭載されたA16 Bionicチップによるものだとされている。このチップの価格は110ドルで、iPhone 13 Pro Maxに搭載されているA15の2.4倍以上となっている。
また、iPhone 14 のコンポーネントは主に米国のサプライヤーから調達されており、部品コストの 32.4% を占めており、2021 年モデルから約 10% 増加している。逆に昨年、最大のサプライヤーであった韓国のシェアは、5 ポイント以上減少して 24.8% になった。
A16 Bionicは、チップサプライヤーTSMCの4ナノメートルプロセスを使用しており、A15は5ナノメートルプロセスを使用している。ソニーのCMOSイメージセンサーを含むiPhone 14の新しいカメラ部品も、従来モデルよりも30%大きく、コストが50%高い15ドルとのことだ。
また、Appleは日本やオーストラリアなど一部の国でiPhoneの価格を引き上げたが、米国などでは引き上げなかったため、製造コストの上昇が同社の利益減少につながったとしている。
「アップルは明らかに、新しい機能で競争できないため、高性能デバイスを搭載して差別化する戦略に頼るしかない」とフォーマルハウトで分解を担当した柏尾氏は述べており・
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