Teslaのオーナーは失望することだろう。同社の自動車は、彼らがカタログで示すほど効率的ではないかもしれないからだ。
Reutersの報道によると、EV大手のTeslaは長年にわたり、同社の販売するEVについて、航続距離を偽り、実際よりも長い距離を走れると誇張してきた事が伝えられている。そして同社は、この問題に関して自社製品の性能を改善するのではなく、顧客からの苦情を抑えるための秘密チームまで立ち上げたと伝えられている。
同紙によると、TeslaではCEOのElon Musk氏の命令で、約10年間にわたりEVのダッシュボード内の航続距離計の数値を意図的に水増しして表示していたとのことだ。この問題に詳しい情報筋がReutersに語ったところによると、同経営陣が航続距離予測ソフトウェアを不正に操作するよう指示したとされている。その結果、再充電が必要になるまでにEVがどれだけの距離を走行できるかの正確な見積もりとは対照的に、あまりに楽観的な航続距離予測がアルゴリズムによって提供された。
ただし、情報筋によると、ドライバーの立ち往生を防ぐため、バッテリー容量の50%を使い切ると、ダッシュボード内の表示が正確な物になるような工夫が凝らしてあるという。Teslaはまた、メーターがバッテリー残量ゼロを示した後でも、航続可能距離15マイル(約24km)の「安全バッファー」を内蔵しているという。
「Elonは、満充電時の航続距離を誇張して表示したかったのです。350マイル、400マイルの航続距離を見て車を買うと、気分が良くなります」と、情報筋は付け加えた。
Reutersによると、このやり方はTeslaが初代ロードスターとModel Sの2モデルしか販売していなかった黎明期から始まったとされている。同紙によると、Teslaが現在、ダッシュボード内の航続可能距離の見積もりを引き上げているかどうかは不明だが、テスターや規制当局は、同社が充電間の走行可能距離を誇張していると指摘し続けている。
今年初め、韓国の規制当局は、同社のEVの寒冷地での航続可能距離が広告の半分以下であるとして、同社に罰金を科した。一方、米国環境保護庁は同社に対し、2020年以降の6車種の航続可能距離を平均3%削減するよう求めている。
なぜTeslaのドライバーはこの問題についてもっと声を上げないのだろうと不思議に思っているとしたら、それは苦情を抑えるための努力がなされてきたからかもしれない。Reutersによると、この問題に関する苦情が殺到した後、同社はラスベガスを拠点とする極秘の「陽動チーム」を立ち上げ、航続距離に関するサービス予約をできるだけ多くキャンセルするようにしたという。このチームは週に何百件もの予約をキャンセルしており、メンバーはときどき木琴を叩いて「机の上に立っていた同僚たちから拍手をもらって」祝ったという。
Reutersは、特に高速道路や悪天候の中を走行する場合、満充電でなくなったEVの航続距離が低下するのは珍しいことではないと指摘している。それでも、全米科学財団の助成金を得てEV分析会社Recurrent が実施した研究によると、バッテリー駆動のFord、Chevolet、Hyudai各社のEVが示す航続距離の見積もりはいずれも正確だったという。
Sources
コメントを残す