Googleが、自社サーバー用に独自設計のArmチップを準備していることがThe Informationの取材で明らかになった。同社は、以前からこのアーキテクチャでチップ(5nm)を設計し、AWSのGravitonに続くことを目論んでいた。The Informationに関係者が語った内容よると、Googleは2025年に自社のデータセンター環境に自社製のArmチップを使い始めるとのことだ。
Googleが研究開発に成功したプロセッサはこれが初めてではなく、同社はこれまでにもサーバ用のASICやモバイル端末用のSoCを製造している。Googleが社内で開発したTensor Processing Unit(TPU)を使い始めたのは、2015年にまでさかのぼる。TPUはAIやニューラルネットワークの機械学習を加速させるために設計されたASICで、カスタムSSDやネットワークスイッチ、NICなどにも用途があった。AI処理については同社のTensorFlowフレームワークに組み込まれたが、Googleは他の多くの重要なプロセス/処理タスクにサードパーティのCPUとGPUを使い続けていた。GoogleのTPUは第4世代に達し、更にやGoogleはサーバー空間での自社製シリコンの利用をさらに進めたいようだ。
TPU ASICに加えて、Googleには、Pixelスマートフォンにも使用されているように、その他のSoCが存在する。最新のモバイル用Tensor G2チップは、最新のArm CortexコアとMali G710グラフィックスに、カスタムTPU、ISP、セキュリティコア、キャッシュを組み合わせ、Samsungの5nmプロセスで製造されています。このチップとTPUのここ数年の進歩は、より大きな制御、効率、TCO削減のための新しいサーバーチップ開発計画を結晶化させるのに役立った可能性がある。
The Informationに語った2人の情報源(1人はこのプロジェクトを直接知る人物、もう1人はこのプロジェクトの説明を受けた人物)によると、Googleはクラウドサーバー事業のライバルであるAmazonに追いつくために懸命に取り組んでいるという。Amazonは2018年にArmアーキテクチャを採用したAWS Gravitonプロセッサをリリースし、それも現在は第3世代になり、印象的なパフォーマンスと効率の最適化を誇っている。
The Informationが共有したその他の情報には、Googleのサーバーチップ研究開発チームが2つのArmベースの5nmチップに取り組んでいる点が挙げられる。一つが、Googleのイスラエルチームによる社内設計である「Cypress」と名付けられたSoC。もう一つが、「Maple」というコードネームが名付けられ、Marvell TechnologyのSoCの基盤に基づいており、TSMCで試験生産が行われている。両デザインを統括しているのは、Intel CPU設計歴25年のベテランで、2021年3月にGoogleのサーバーチップ設計担当のエンジニアリングVPに就任したUri Frank氏である。Frank氏は、CypressをプランA、MapleをプランBとして、万全の体制で臨むようだ。
このチップの量産は2024年に始まる可能性があり、Googleのデータセンターは2025年までにこのチップを使用することができると、情報筋は述べている。
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