昨年8月にオープンソースの画像生成ツール「Stable Diffusion」で世間の想像力をかき立てたジェネレーティブAI企業Stability AIは、企業顧客向けに作られ、「フォトリアリズムを得意とする」という最新の画像生成モデル「Stable Diffusion XL(SDXL)」のベータリリースを発表した。
「SDXLは、グラフィックデザインや建築など、いくつかの業界において変革をもたらす豊かな画像生成を実現します」と、Stability AI CTOのTom Mason氏はプレスリリースで述べている。
SDXLベータ版は、エンタープライズ開発者を対象としたStabilityのAPIとDreamStudioプログラミングスイートで利用可能だ。SDXLは、前身のStable Diffusion 2.1よりも、次レベルのフォトリアリズム、画像合成と顔生成の強化、説明的な画像を作成するための短いプロンプトの使用、読みやすいテキストの作成機能の強化など、より詳細な画像と構成を生成するとしている。
また、SDXLはテキストから画像へのプロンプトだけでなく、画像から画像へのプロンプト(ある画像を入力するとその画像のバリエーションが得られる)、インペインティング(画像の欠損部分を再構成する)、アウトペインティング(既存の画像をシームレスに拡張して構築する)にも対応している。
2019年に設立されたロンドンを拠点とするStability AIは、昨夏に文化の時流に爆発的に乗って以来、絶好調だ。2022年11月、初期モデルからわずか3カ月で「Stable Diffusion 2.0」がリリースされた。
だが、自分の作品をStable Diffusionモデルのトレーニングデータとして使用することに反対するアーティストからの反発もある。昨年12月、トレーニングデータをアーティストが所有するためのツールを構築するために9月に発足した団体Spawningは、Stability AIがStable Diffusion 3のトレーニングから外れるというアーティストの要望を尊重すると発表した。
1月には3人のアーティストがStability AIとMidjourneyに対してAIアートに関する初の著作権侵害の集団訴訟を起こし、2月にはGetty ImagesがStability AIによって画像が悪用されたとして訴訟を起こしている。
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