OpenAIの元リーダーが共同設立した人工知能スタートアップのAnthropicが、韓国最大手の携帯電話キャリアの1つであるSK Telecom(SKT)から1億ドルの資金提供を受ける事が明らかになった。
これは、Anthropicが5月にSpark Capitalが主導したシリーズC資金調達ラウンドで4億5000万ドルを調達してからまだ3ヶ月しか経ってない中での新たな巨額資金調達となる。今回の投資に先立ち、SKTはベンチャーキャピタル部門であるSK Telecom Venture Capital(SKTVC)を通じてシリーズCラウンドに参加した。先月には、ドイツのソフトウェア会社SAPもAnthropicに投資したばかりだ。
SKTはAnthropicへの戦略的投資を通じて、白熱する生成AI競争に参加する事となる。SKTによると、AnthropicとSKTは、グローバル通信事業者向けにカスタマイズされた多言語大規模言語モデルを共同開発する計画だという。Anthropicの共同設立者で最高科学責任者(CSC)のJared Kaplan氏は、カスタマイズの全体的な方向性と製品ロードマップを主導する。
「SKTは、AIを活用して通信業界を変革するという素晴らしい野心を持っています。私たちは、AIの専門知識とSKTの業界知識を組み合わせ、通信事業者向けにカスタマイズされたLLMを構築できることをうれしく思います」と、SKTはプレスリリースの中で述べている。
SKTとAnthropicが共同開発するLLMは、ドイツテレコム、イーアンド、シングテルを含む4つのGlobal Telco AI Allianceメンバーが、各市場のユーザーにカスタマイズされたAI開発を提供することを可能にする。LLMは英語、韓国語、ドイツ語、日本語、アラビア語、スペイン語に対応する。
2021年に設立されたAnthropicは、OpenAIのChat GPTのようなClaudeと呼ばれるAIシステムを構築しており、検索、回答の生成、ワークフローの自動化、コーディング、自然な会話でのテキスト処理などのタスクを企業が管理できるようにしている。
SKTによると、通信業界向けのClaudeのユースケースには、「業界特有のカスタマーサービス、マーケティング、セールス、双方向の消費者向けアプリケーション」が含まれるという。
SKTのRyu Young-sang最高経営責任者(CEO)は声明の中で、「韓国語ベースのLLMとAnthropicの強力なAI能力を組み合わせることで、相乗効果を生み出し、グローバルな通信事業者パートナーとともにAIエコシステムにおけるリーダーシップを獲得することを期待している」と述べた。
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