Samsungの次期Galaxy S24シリーズはiPhoneに先んじてAI機能を前面に押し出したスマートフォンになりそうだが、今後の同社のAI戦略はこれまでのカメラ機能を単純に強化する物を越えて、センサーそのものの作りを根本的に変えることにまで及ぶようだ。
Business Koreaの報道によると、SamsungはカメラセンサーにAI機能を組み込むべく取り組んでいるという。これは、Samsungが長期的な目標として掲げている、“人間の感覚を感知・再現できる”という、「ヒューマノイド・センサー」の実現の一環であり、同社はこれを2027年までに実現したいと考えているようだ。このヒューマノイド・センサーは、“目に見えないもの”までも捉えることができる機能を備えているという。
目に見えないものをどのように撮影するのか、それを画像としてどのように残すのか等は不明だが、それらが単純に赤外線カメラと言った従来のテクノロジーで再現できるものとは異なる事だけは確かだろう。
また、このAI処理カメラセンサーはスマートフォンだけのものにはならないかもしれない。Samsung ElectronicsのシステムLSI事業のPark Yong-in社長は10月、シリコンバレーで開催された「SamsungシステムLSIテックデイ」で、生成AI、高性能アルゴリズムと技術、長距離通信ソリューションの習得を含む「Proactive AI」時代をリードする目標を強調した。COVID-19時代の一時的な縮小期を経て、カメラセンサー市場は自律走行車、IoT、ロボット、XR(拡張現実)デバイスの需要により成長フェーズに切り替わったと述べており、こうしたAI搭載カメラセンサーの用途は特に自律走行車やロボットなどにも用いられる可能性もありそうだ。
カメラセンサーにAI処理機能を統合する事を計画しているのはSamsungだけではなく、SK hynixも同様の試みが見られる。こちらはより具体的に使用イメージが湧くものだ。同社はSK hynix TechSummit 2023イベントの中で、カメラセンサーにAI処理チップを組み込むことで、レイテンシーを低減し、画質を向上させるとともに、消費電力を削減すると言ったメリットを明らかにしている。また、イメージセンサーにAIアクセラレーターを統合することで、顔認識や物体認識などの機能向上をテストしているようだ。
SamsungもSK hynixも、カメラ用イメージセンサー市場でSonyとの差を縮めようとしている。Counterpoint Researchのレポートによると、Sonyはイメージセンサー市場で54%のシェアを占めている。Samsungのシェアは29%で、SK hynixは5%のシェアで辛うじてトップ5に入ることができている。
Source
- Business Korea: Samsung, SK hynix Advance in AI-embedded Image Sensors
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