Samsungが本日発表したGalaxy S24とS24+は、地域によってSnapdragon 8 Gen 3またはSamsung独自のExynos 2400チップセットを搭載している。Snapdragon 8 Gen 3については、一部Samsung向けのチューニングが施されているようだが、基本的な部分は既にすべて判明している。興味を惹くのは、Samsungの2年ぶりとなる新たなExynosチップだ。今回Samsungはこの独自チップの全てを明らかにしている。
Exynos 2400は、第3世代のSamsung製4nmプロセスで作られている。3nmプロセスではない。同社によれば、Esynos 2400はFan-Out Wafer-Levelパッケージを採用した初のチップセットだという。メーカーは、このパッケージングにより、以前悩まされたような高温問題は起きないはずだと主張している。
Exynos 2400:基本
Samsungの最新Exynos 2400プロセッサーは、従来のオクタ(8)コアではなくデカ(10)コアCPUを搭載している。
Cortex-X4ビッグコアが1つ、Cortex-A720ミディアムコアが5つ、Cortex-A520リトルコアが4つ搭載される。同社はこれらのCPUコアのクロック速度については明言しなかったが、2つのミディアムコアは “高周波数 “で動作し、3つのミディアムコアは “低周波数”で動作すると述べている。
Samsungは以前、Exynos 2400がAMDのRDNA3グラフィックス・アーキテクチャに基づくXclipse 940 GPUを搭載すると述べていた。これにより、第2世代のレイトレーシング機能、グローバルイルミネーション、レイトレースされた影が実現される。
Galaxy S24シリーズは、生成AI機能を豊富に提供しているため、Exynos 2400がこの点のサポートに注力しているのは当然の流れだろう。Samsungは、2022年のGalaxy S22シリーズに搭載されたExynos 2200との比較ではあるが、新しいExynosチップセットはAI性能を14.7倍向上させると主張している。同社はまた、新しいプロセッサーは17,000MACSのAI演算能力を持つNPUを提供するとしている。
同社は、Exynos 2400のAI機能に関するその他の情報、例えば効率向上、サポートされるビット深度、大規模言語モデルに関する詳細、その他の豆知識については明らかにしていない。そのため、このチップのAI能力をQualcommやGoogle、MediaTekの最新プロセッサーと比較する指標がないのは残念な所だ。
一方、新チップセットのモデムはRelease 17規格をサポートしている。サブ6GHz帯を使用する場合は下り最大9.64Gbps、mmWaveを使用する場合は12.1Gbpsの速度が期待できる。アップリンク速度はそれぞれ最高で2.55Gbpsと3.67Gbpsだ。
また、Exynos 2400は、リリース17標準に従って、衛星通信用の非地上波ネットワーク(NTN)もサポートしている。
カメラとマルチメディア
最新のスマートフォン・プロセッサは強力なカメラ・ハードウェアを誇っており、Exynos 2400もその例に漏れない。この新しいチップセットは、最大320MPのシングルカメラをサポートし、Exynos 2200の200MPシングルカメラサポートを上回る。その他、このプロセッサーは108MPカメラ(30fps)または64MP+32MPデュアルカメラシステム(30fps)をサポートしている。
新しいExynosチップは、「ディープラーニング・フュージョン・エンジン」とノイズリダクションのハードウェア・サポートも備えている。さらに、このSoCは最大4つのカメラの同時動作をアピールしている。
Exynos 2400はまだ8K/30fpsのビデオエンコーディング機能を提供しているため、8K/60fpsの録画はまだ期待できない。しかし、以前のExynosチップと同様に、8K/60fpsの再生とAV1デコードをサポートしている。
また、 Exynos 2400は、120Hzの4Kスクリーンまたは120HzのQHD+ディスプレイをサポートする。
Exynos 2400:対応デバイス
Samsungの最新フラッグシップ・プロセッサExynos 2400は、ヨーロッパ、英国、インド、南アフリカを含むいくつかの地域でGalaxy S24とS24 Plusに搭載されている。しかし、これらのスマートフォンは、米国などではSnapdragon 8 Gen 3プロセッサを搭載している。
Source
- Samsung: Exynos 2400
コメントを残す