進歩する半導体技術でこれまであまり変化が見られなかった“基板”に近く大変動が起きることが予想される。先日、これまでの有機材料に変わり、Intelがガラス基板の採用におけるブレークスルーを達成したことをお伝えしたが、世界最大のチップメーカーの1つであるSamsungも026年までにガラス基板を研究、開発、商品化するために、自社のグループからなる連合を結成した、とSedailyは報じている。
ガラス基板は、今後ますます普及が見込まれるマルチチップレットのシステム・イン・パッケージ(SiP)設計に大きなメリットをもたらすと期待されている。
Samsungは、グループのSamsung Electronics、Samsung Electro-Mechanics、Samsung Displayの各部門からなる連合を結成し、ガラス基板を可能な限り短期間で開発・商業化する事を目指しているようだ。Samsungは既に今年のCESで、2026年までにガラス基板を量産する意向を表明していた。
業界関係者はSedailyの取材に対し、「各社が(それぞれの市場で)世界最高の技術を保有しているため、ガラス基板研究という有望な分野でシナジー効果が最大限に発揮されるであろうし、Samsungアライアンスのガラス基板エコシステムがどのように構築されるかを注視する必要もある」と語った。
Samsung Electronicsは半導体と基板の統合に注力し、Samsung Displayはガラス加工に特化するとみられる。この協力的なアプローチは、グループの競争力を高めることを目的としている。
ガラス基板は、従来の有機基板に比べて多くの利点を提供する。ガラス基板は、リソグラフィーの焦点深度を向上させる卓越した平坦性と、相互接続のための卓越した寸法安定性を提供する。これらの特性は、複数のチップレットを組み込んだ次世代SiPにとって極めて重要である。さらに、ガラス基板は優れた熱的・機械的安定性を示すため、高温に耐えることができ、データセンター用途での耐久性も向上する。10年近くガラス基板の研究に取り組み、2030年までにガラス基板を商用製品に採用する計画を発表したIntelは、これらの特性により、次世代SiPの電力供給と信号配線に不可欠な相互接続密度の大幅な向上が可能になると見込んでいる。
Sedailyによると、Intelに加え、半導体基板メーカー大手の日本企業イビデンがガラス基板の研究開発分野に参入したという。イビデンは昨年10月、新規事業としてガラス基板に注力する計画を発表した。同様に韓国では、SKグループの関連会社であるSKCが子会社Absolicsを設立し、AMDなどの半導体トップ企業と共同で基板の量産を模索しており、次世代プロセッサー向け基板の重要性を強調している。
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