Sky Newsによると、英国海軍が、GPSに頼らずに世界中の船舶の正確な位置を特定できる「量子ナビゲーションシステム」の初試験に成功したとのことだ。ロンドンのインペリアル・カレッジの物理学者が開発したこの技術は、原子のユニークな性質を利用し、従来の方法と比較して、物体の動きをより正確に測定することを可能にするという。
この量子ナビゲーションシステムを搭載した船舶は、従来の海図とコンパスを使った方法よりも高い精度で航行することができ、現在広く採用されている衛星を使ったナビゲーションを過去のものにする画期的なものだ。
英国海軍の研究部門であるNavy Xの責任者であるTom Ryan大佐は、「海軍と軍事作戦の基本要件である、船舶の位置を正確にプロットする新しい革新的なアプローチを提供する」と、今回の開発の意義を強調した。
「現在の衛星航法から技術的な飛躍を遂げる可能性がある」と述べている。
Ryan大佐は、Sky Newsに次のように語っている。「衛星航法は妨害されることもあれば、うまくいかないこともある。だから、正確に、非常に正確に、自分の位置をプロットする新しい、斬新な方法を持つ能力は、英国海軍と軍のビジネスの方法にとって基本的なものです」。
この技術の応用に関する具体的な詳細は英国海軍によって未公表のままだが、あるヒントが潜在的な用途を示唆している。例えば、潜水艦は潜水中はGPSに頼ることが出来ない。しかし、量子ナビゲーションは、理論的には潜水中でも機能する可能性がある。
海軍の新しい実験船であるXV Patrick Blackett号は、この実験の舞台となった。Sky Newsによると、この船は近未来的な実験のホストとして最適で、着色された窓と光沢のある黒い船体が特徴で、洗練されたデザインを誇っているとのことだ。
量子ナビゲーションシステムの実験成功は、海軍技術における重要な一歩であり、様々な海上シナリオにおける航行能力と作戦効果の強化につながる可能性を秘めている。
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