米国の電気自動車メーカーRivianとMercedes-Benzによるヨーロッパで商用電気バン製造するための提携は、Rivianが自社の事業に集中するためにその計画を一時中断する事になった。「現時点では、消費者向け事業と既存の商用事業に集中することが、Rivianの価値を最大化するための最も魅力的な短期的機会であると考えています」と、プレスリリースで述べている。

同社は、「今年初めに締結した欧州での電気自動車の共同生産に関する覚書について、Mercedes-Benz Vansとの協議を一旦停止することにしました。」と述べているが、この別れは友好的で、永久に続くものではない可能性があるようである。Mercedes-Benzのバン部門責任者Mathias Geisen氏は声明で、「Rivianのチームと将来的に戦略的な機会を模索することも選択肢の一つです。私たちは、お客様のためのベンチマーク製品で電気自動車の普及を促進するという同じ戦略的野心を共有しているからです。」と述べている。また、Rivianの決断が商用電動化戦略を変えることはないとも付け加えている。

Rivianはこの1年、いくつかの挫折を味わっている。資金調達済みのEV新興企業のなかでもトップクラスであるにもかかわらず、同社は昨年夏、コスト削減のために従業員の6パーセントを解雇すると発表した。それ以前には、すでに予約済みの車両を値上げすることを明らかにしたが、批判を受けて値上げを撤回し、将来の注文にのみ適用することを発表した。一方、SUVのR1SとピックアップのR1TのEVは概ね好評を博している。

他のEV新興企業も、インフレや金利上昇などの問題で、今年に入ってから問題にぶつかっている。

Lucid Motorsは、同社の定めた販売目標に達成しない可能性から、顧客からのキャンセルを阻止すべく“熱心な”電話戦略を取っている事が報じられ、これらと合わせてTeslaのElon Musk氏がLucidとRivianはもう長くないと見ていた。