PCI-SIGは、6月21日(現地時間)、30周年を迎えたPCI-SIGによる開発者向けカンファレンスにおいて、PCI Express 6.0の2倍のデータ転送速度と帯域幅を実現する、「PCI Express 7.0」を発表した。
PCI Express 7.0対応システムは2027年頃に登場か
PCI Express 7.0では、128GT/sというデータ転送レートを実現する。これは2022年1月に策定されたPCIe 6.0の2倍、現在コンシューマ向けで製品化されている最新のPCIe 5.0の4倍の速度となる。
PCI-SIGによると、新しいPCIe 7.0の規格は2025年までにメンバーに公開される予定なので、2026年から2027年にはシステムへの採用が期待できる。
過去30年間、PCI-SIGは技術革新の最前線に立ち続けています。私たちのPCI Express(PCIe)仕様は、選択されたデファクトインターコネクトとして、またコンピュートコンティニュアムの重要なコンポーネントとして確立された地位を維持しています。PCI-SIG Developers Conference 2022では、30周年を記念して、PCIe技術の次の進化を発表しました。PCIe 7.0仕様です。間もなく登場するPCIe 7.0仕様は、最近リリースされたPCIe 6.0仕様のデータレートを128 GT/sに拡大し、3年後に再びスピードアップを実現する予定です。PCIe 7.0仕様は、2025年にメンバーへのリリースを目標としています。
ロードマップを計画している企業は、信頼性が高く高速で低レイテンシのI/O相互接続に対するニーズを満たすことが保証された次世代PCIe技術を含めることができます。PCIe 7.0テクノロジーは、PCI-SIGのロードマップを拡大し、800ギガ・イーサネット、人工知能と機械学習(AI/ML)、高性能コンピューティング(HPC)、量子コンピューティング、ハイパースケール・データセンター、クラウドなどのデータ集約型のアプリケーションや市場を含むようにします。
PCI-SIG
PCI Express 7.0の仕様
PCI-SIGテクニカルワークグループによる発表では、次の仕様を目標として開発が行われるとのことだ。
- 128GT/sのデータ転送レートを実現し、x16構成で最大512GB/sの双方向通信が可能
- PAM4 (4レベルパルス振幅変調) 信号の利用
- チャネルパラメータとリーチに注力
- 低レイテンシーと高信頼性の目標達成の継続
- 電力効率の改善
- 前世代のすべてのPCIeテクノロジーとの後方互換性を維持すること
現行のPCIe 5.0は最大32GT/sのデータ転送レートと128GB/sの帯域幅を提供する。先日策定されたPCIe 6.0では、64GT/sのデータ転送レートと最大256GB/sの帯域幅が提供される予定だ。だが、PCIe 7.0は、実際にどのような用途に使われるかは現段階では想像出来ない。現時点では、クライアントPCの場合、既存のハードウェアを考えると、PCIe 4.0でもスペック的には十分だからだ。実際のところPCIe 5.0どころか、PCIe 4.0でさえもレーンをフルで使い切るGPUは存在していない。ただ、PCIe 5.0に関して言えば、NVIDIAの次世代GeForceは別としても、AMDの次世代Radeonのように今年中に対応するハードウェアも登場する予定だ。SSDもPCIe 5.0に対応した物が今年は登場してくる。
PCIe 6.0や7.0がまず利用されるのは、ビッグデータを処理するために高い転送速度と帯域幅が必要とされるサーバーセグメントからになるだろう。そして、それらに対応したデバイスが市場に出てくるにはまだまだ時間がかかる。だが、実際の所、数年前にはTDPが600Wにもなるグラフィックスカードなど想像も出来なかったし、今後の技術革新によって驚くほどの性能のデバイスが現れるかも知れない。
少なくとも、今後数年先に向けて新たな規格が開発されていると言うことはとりあえず希望に繋がるだろう。
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