OpenAIは、AI搭載したチャットボット「ChatGPT」に、企業ユーザーのニーズに合わせた新しいサブスクリプションプランを導入する予定である事と共に、チャット履歴をオフにすることができる新しいコントロールと、会話履歴をAIモデルの学習用データとして提供しないように選択できる機能を追加した。また、ユーザーはローカルストレージ用にチャット履歴をエクスポートできるようになっている。
ChatGPT Businessと名付けられたこのプランについて、OpenAIは「データの管理を必要とするプロフェッショナルや、エンドユーザーを管理しようとする企業向け」と説明している。
「ChatGPT Businessは、我々のAPIのデータ使用ポリシーに従います。つまり、エンドユーザーのデータは、デフォルトでは我々のモデルのトレーニングに使用されません。我々は、ChatGPT Businessを今後数ヶ月で利用可能にする予定です」とOpenAIは本日公開したブログ投稿で述べている。
ChatGPTはサービス開始からわずか2ヶ月後の1月に月間アクティブユーザー数が1億人に達したと推定されており、史上最も急成長したコンシューマー向けアプリケーションとなった。それに伴い運営コストも増大しており、一説では1日当たり70万ドル(9,930万円)かかる可能性があると言う。こうした高コストでの運営に対し、既にOpenAIはChatGPT Plusという有料サブスクリプションプランを開始した事や、ChatGPT APIを提供し、これを外部から利用する企業から集金する事も行っている。
ChatGPT Businessに加えて、OpenAIは本日、すべてのChatGPTユーザーがチャット履歴をオフにできる新機能を発表した。OpenAIによると、チャット履歴を無効にしたときに始まった会話は、OpenAIのモデルの訓練と改良に使用されず、履歴のサイドバーにも表示されないそうだ。しかし、それらは30日間保持され、”不正使用を監視するために必要なときに”見直されるという。
またChatGPTのデータは、本日よりエクスポートすることも可能だ。ユーザーは、自分のデータをファイルにして、OpenAIアカウントに関連付けられた電子メールアドレスに送信するようリクエストすることが出来る。
設定は、ChatGPTにログインし、左下の自分の名前を選択し、設定を押し、データコントロールのところで、表示を押す。その後、トラッキングと履歴の設定をオフにして、データをエクスポートすることが可能だ
この新機能は、OpenAIのデータ処理に関する規制当局の監視が強化される中で生まれたものだ。イタリアは先月、OpenAIが違法に人々のデータを処理し、未成年者のChatGPTへのアクセスを防止するシステムを導入しなかったと主張し、プライバシー侵害の可能性があるとしてChatGPTを禁止にした。フランス、スペイン、ドイツも、ChatGPTのGDPR遵守に焦点を当て、OpenAIとその商業サービスの調査を開始している。
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