OpenAI、Googleに対抗するためAIベースの「検索エンジン」を開発中か?

masapoco
投稿日 2024年2月16日 12:06

OpenAIがChatGPTをリリースしてからしばらく後、これによってGoogleの検索ビジネスが根底から覆されると騒がれたが、結局未だにGoogleの牙城は微塵も揺らいでいない。だが、MicrosoftとOpenAIはAIチャットボットを用いたWeb検索の構想を諦めておらず、今回OpenAIが新たな「Web検索製品」の開発に取り組んでいる事が、The Informationによって報じられている。同誌によれば、このサービスはMicrosoftのBingを部分的に利用したものだという。

これがChatGPTとは別のサービスになるかどうかは不明だ。ちなみに、ChatGPTはChatGPT Plusのサブスクリプションの一部として、Bingによるブラウズ機能を提供している。

しかし、この形式のWeb検索は、ページの内容の完全な説明という点では信頼性に欠け、速度も遅く、従来の検索の競合にはまだなっていない。

AIによる検索エンジンはこれが初めてではない。The Informationは、最近の例としてPerplexityというAIサービスを挙げている。Perplexity.aiは、ユーザーが検索クエリを作成すると、関連リンクとテキストベースの回答を生成する。

OpenAIがWeb検索という目的に最適化され、より高速な、Google独自の生成AI検索SGEやPerplexity.aiのような独立した検索製品をリリースすることは理にかなっているかもしれない。

ただし、AIを活用したWeb検索は、コンテンツのエコシステムに大きな影響を与える可能性がある。生成AIを搭載した新しいWeb検索エンジンは、コンテンツ制作者のサイトへのトラフィックを減らす可能性が高い点も、それによって広告収入を得ているようなサイトの運営にも支障を来す恐れがあるだろう。

1年ほど前に懸念されたChatGPTの脅威が検索ビジネスを脅かすと言われていた実際の被害がまだ現れていないことから、GoogleもWeb検索のAI化のペースを落としているようだ。この変革は、経済的損失だけでなく、検索企業にとって多くのリスクをもたらす。

もしこれが確認されれば、OpenAIにとってGoogleに対するこれまでで最も直接的な挑戦となるだろう。Web検索はGoogleの糧であり、検索広告は同社の収益の大半を稼ぎ出している。


Sources



この記事が面白かったら是非シェアをお願いします!


  • 次の記事

    ASML、米国による更なる対中制裁や地政学的リスクが事業に影響を及ぼす可能性を警告

    2024年2月16日 16:13
  • 前の記事

    Samsung、日本のPreferred Networksから2nm世代のAIチップ製造を受注と報じられる

    2024年2月16日 11:05
    Samsung HQ Image

スポンサーリンク


この記事を書いた人
masapoco

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

おすすめ記事

  • openai

    OpenAI、15秒の音声サンプルから感情豊かで自然な音声を合成できる「Voice Engine」を発表

  • a04c35e8e555c1cc7ae1d6a5f3159856

    MicrosoftとOpenAI、1000億ドル以上をかけて超人的AI開発のためのスーパーコンピューター「Stargate」を開発する計画

  • Sam Altman TechCrunch SF 2019 Day 2 Oct 3 cropped cropped

    ベンチャーキャピタリスト、OpenAIのSam Altman氏を“誇大妄想的”と非難

  • google logo image

    Googleが非営利団体を対象に2000万ドルの資金を提供し生成AI活用を支援

  • Pixel 8 in Rose.max 936x936.format webp

    Google、方針を転換しPixel 8にもGemini NanoによるオンデバイスAI機能を搭載へ

今読まれている記事