OpenAIは、ついに待望の「GPT Store」を開始した事を発表した。これにより、ユーザーは独自のカスタムチャットボットを共有し、ChatGPT体験をさらに豊かにすることが可能となる。
加えて、OpenAIは小規模チームや企業向けの新しいチームプランも発表した。
GPT Store
ChatGPTで独自のカスタムチャットボット「GPTs」を作成する「GPT Builder」機能自体は11月から利用できるようになっていた。コーディングの必要はなく、誰でもGPTを作成し共有することができる。
GPT Storeは、そうして人々(もしくは企業)が作成した独自のカスタムチャットボットを他のユーザーと共有し、AppleのApp Storeのように収益の一部を得る機会を提供する物だ。ただし、GPT Storeで共有する場合、クリエイターは、実名を共有するか、検証済みのウェブサイトをユーザーに示すビルダープロフィールを作成する必要がある。
前身であるプラグインと比べ、GPT Storeは「ライティング」「リサーチ&分析」「プログラミング」「教育」「生産性」「ライフスタイル」といったカテゴリや検索機能など、より洗練されたユーザーインターフェイスを備えている。
OpenAIは、ストアのトップページで優れたGPTをキュレーションする計画だ。OpenAIによると、11月の機能開始以来、300万以上のGPTが作成されているという。
このトップGPT収益化プログラムは、今四半期中に米国で開始される予定だ。OpenAIは、具体的にどのようにチャットボットクリエイターと収益をシェアするかはまだ発表していない。
有益なチャットボットがクリエイターの収益化に繋がるかどうかは未知数だ。OpenAIがこれまでにリリースしたGPTのデモ(洗濯機のアシスタント、レシピジェネレーター、数学の家庭教師など)は、同じような質問をすることができる従来のChatGPTと比べると、あまり付加価値はない。あくまでもユーザーがお金を払ってまでも使いたいと思えるような高機能を提供出来るかが鍵となるだろう。
ChatGPT Team
ChatGPT Teamはチームでのアクセスを容易にすることを目的としている。
ChatGPT Teamは、各従業員のためにサブスクリプションを購入するよりも、より多くの従業員にアカウントを配布することを容易にする管理インターフェイスを企業に提供する。
一人当たり月額25ドルから30ドル(月払いか年払いかによる)で、個人向けChatGPTプラス(1アカウント20ドル)より5ドルから10ドル高くなる。
ChatGPT Teamは最大150名まで対応可能だ。大企業向けには、従来通り機能を追加したChatGPT Enterpriseを提供している。
発表によると、ChatGPT TeamはGPT-4の32Kモデルへのアクセスを提供するが、ChatGPT Plusに実装されているGPT-4 Turboはすでに128Kのコンテキストウィンドウを提供している。コンテキスト・ウィンドウのサイズは、モデルが同時に処理できる情報量を表す。コンテキストウィンドウが大きいほど、より多くの情報を処理することができるのだ。
OpenAIの発表からは、Teamプランで利用できるのは32Kモデルだけなのか、それとも128KのTurboに加えて利用できるのかは明らかではない。後者の場合、32KモデルがTurboに対してどのような利点があるのかという疑問が生じる。仮に32Kモデルしか使えないとすれば、ChatGPTプラスに比べて不利になるだろう。
プラス面では、時間内に送信できるメッセージ数に関しては、Plusプランよりも高い制限が設定されているようだ。現在、ChatGPT Plusでは、3時間で40メッセージまでとなっている。さらにTeamプランのユニークな特徴は、検証済みのGPTを社内で共有できる独立したエリアがあることだ。
OpenAIはまた、Teamアカウントからのチャットはトレーニングに使用されないことを強調してる。ChatGPT Plusのユーザーは、チャット履歴の利便性を放棄する場合にのみ、トレーニングデータからオプトアウトすることができる。
ChatGPT Teamは、ChatGPT Plusと昨年秋に発表されたエンタープライズソリューションであるEnterpriseをつなぐものだ。2023年12月、OpenAIは需要に追いつくことができず、何千もの企業が待機リストに載っていると述べた。新プランはこのボトルネックを緩和する可能性がある。
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