生成AIへの期待と共に、プライバシーやセキュリティへの懸念も渦巻く中、OpenAIはついにビジネスデータの保護を約束する、企業向けの堅固なバージョンである「ChatGPT Enterprise」をリリースした。
企業が生成AIツールの規制を考える向きもあるが、OpenAIによると、ChatGPTが2022年後半に公開されて以来、Fortune 500に掲載されている企業リストの80%以上で使用されており、このツールの採用意欲が依然旺盛であるとのことだ。
ChatGPT Enterpriseはより高度なセキュリティとプライバシー管理、GPT-4への無制限の高速アクセス、旧バージョンより最大2倍高速なパフォーマンスを提供する。更に、32kのコンテキストが含まれ、ユーザーは4倍長い入力やファイルを処理することが可能となり、コードインタープリターへの無制限アクセスにより、更に強力なデータ分析を行う事が出来る。これにより企業はこれまで以上に速く情報を理解し、より複雑な質問をChatGPTに投げかけることが出来るとのことだ。
CNBCによるOpenAI COOのBrad Lightcap氏への取材によると、ChatGPT Enterpriseは「開発機関は1年未満で、様々な規模や業界の20社以上の協力を得て開発された」とのことだ。価格設定は公には発表されず、Lightcap氏は「我々にとっては、各企業のユースケースと規模に依存する」とだけ述べている。
この新サービスはすでに「Block, Canva, Carlyle, The Estée Lauder Companies, PwC, and Zapier」などの企業でテストが行われているとのことだ。
プライバシーとセキュリティは、自社のデータがChatGPTのトレーニングに使用されることを恐れ、ツールを使用することで誤ってAIモデルに機密性の高い顧客情報が公開されることを心配する企業にとって懸念事項であった。OpenAIは、ChatGPT Enterpriseのユーザーは、GPTのトレーニングには一切使用されないデータをコントロールし、所有することができると述べている。
企業データに関するChatGPTのファインチューニング機能や、さらに高度な分析ツールなど、その他の機能は近々登場する予定だ。最終的には、小規模チーム向けにChatGPT Enterpriseの価格オプションも提供する予定だという。
OpenAIは、ChatGPT Enterpriseについて「今後数週間で、できる限り多くの企業に提供する」と述べている。
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