NVIDIAの新しいAIモデルは、仮想世界のオブジェクトとキャラクターを素早く生成してくれる

masapoco
投稿日 2022年9月24日 14:07
nvidia get3d

NVIDIAは、新しい人工知能モデルによって、仮想3D世界の作成にかかる手間を省こうとしている。新たに発表した「GET3D」は、キャラクター、建物、乗り物、その他の種類の3Dオブジェクトを簡単に、自動で生成することができるとのことだ。同発表によると、GET3Dは1つのGPUを使用して、1秒間に約20のオブジェクトを生成できるとのことだ。

研究者たちは、複数の角度から撮影した3D形状の合成2D画像を使って、このモデルをトレーニングした。NVIDIAによると、A100 Tensor Core GPUを使用して、約100万枚の画像をGET3Dに送り込むのにわずか2日しかかからなかったという。

このモデルは、「高忠実度のテクスチャと複雑な幾何学的細部」を持つオブジェクトを作成できると、NVIDIAのIsha Salian氏はブログで書いている。GET3Dが作る形状は、「張子モデルのような三角形のメッシュで、テクスチャの付いた素材で覆われた形になっています」とのことだ。

GET3Dは互換性のあるフォーマットでオブジェクトを作成するため、ユーザーはゲームエンジンや3Dモデラー、フィルムレンダラーにオブジェクトを素早くインポートして編集することができるようになる。つまり、開発者がゲームやメタバース向けに高密度な仮想世界を作ることがより容易になる可能性があるということだ。NVIDIAは、他の使用例として、ロボット工学と建築を挙げている。

同社によれば、GET3Dは、自動車画像のトレーニングデータセットに基づいて、セダン、トラック、レースカー、バンを生成することができたという。また、動物の画像でトレーニングした後、キツネ、サイ、馬、クマなどを生成することも可能になった。NVIDIAは、GET3Dに入力されるトレーニングセットが大きく、多様であればあるほど、「より多様で詳細な出力が得られる」と述べている。

NVIDIAのAIツール「StyleGAN-NADA」を使えば、テキストベースのプロンプトでオブジェクトに様々なスタイルを適用することが可能だ。例えば、自動車に燃え尽きたような外観を適用したり、家の模型をお化け屋敷に変えたり、あるいは、この技術を紹介するビデオにあるように、あらゆる動物にトラの縞模様を適用することができます。

GET3Dを開発したNVIDIAの研究チームは、将来のバージョンでは、合成データではなく、実世界の画像で学習させることができると考えている。また、一度に1つのオブジェクト・カテゴリに集中するのではなく、様々な種類の3D形状に対して一度にモデルを訓練することも可能になるかもしれない。



この記事が面白かったら是非シェアをお願いします!


  • delage d12
    次の記事

    最速の公道車を目指すDelage D12は、F1に最も近いドライビングフィールを目指している

    2022年9月24日 16:07
  • 前の記事

    メルセデス・ベンツ Gクラスの電気自動車が2024年登場

    2022年9月24日 12:25
    2021 06 21 Image 21C0523 001

スポンサーリンク


この記事を書いた人
masapoco

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

おすすめ記事

  • openai

    OpenAI、15秒の音声サンプルから感情豊かで自然な音声を合成できる「Voice Engine」を発表

  • a04c35e8e555c1cc7ae1d6a5f3159856

    MicrosoftとOpenAI、1000億ドル以上をかけて超人的AI開発のためのスーパーコンピューター「Stargate」を開発する計画

  • Sam Altman TechCrunch SF 2019 Day 2 Oct 3 cropped cropped

    ベンチャーキャピタリスト、OpenAIのSam Altman氏を“誇大妄想的”と非難

  • google logo image

    Googleが非営利団体を対象に2000万ドルの資金を提供し生成AI活用を支援

  • Pixel 8 in Rose.max 936x936.format webp

    Google、方針を転換しPixel 8にもGemini NanoによるオンデバイスAI機能を搭載へ

今読まれている記事