NASAのミッション・マネジメント・チームは、8月29日(月曜日)に中止されたスペース・ローンチ・システム/アルテミス1号の試験飛行のデータを見直した結果、9月3日(土)にアルテミス1号の打ち上げ再挑戦が可能であると考えていることを明らかにした。打ち上げ時間は、協定世界時18時17分(日本時間9月4日午前3時17分)から2時間となる。
NASAのアルテミス・ミッションマネージャーのMike Sarafin氏は、今日(火曜日)記者団に対し、「私たちはよく眠り、すべてのデータを見直した。我々は打ち上げ日を9月3日(土)に変更することに合意したが、引き続き全てのデータを見直し、評価し、9月1日までに最終決定を下す」と述べている。
もし打ち上げが土曜日に行われなかった場合、再挑戦は早ければ48時間後、つまり9月5日(月)になる可能性があると関係者は述べている。しかし、これは天候のために打ち上げが中止された場合の予定であり、技術的な問題があれば、打ち上げはさらに遅れる可能性が高い。
8月29日の打ち上げの際、中止になった主な問題は「エンジンブリード」の問題によるもので、これは事実上、4つのメインエンジンのうち1つが打ち上げ時の点火に必要な温度まで適切に冷却されなかったことを意味する。しかし、データを見直した結果、SLSロケットの3番エンジンの温度問題は、エンジンが望ましい冷却温度に達していなかったというよりも、センサーの不具合が原因である可能性が非常に高いとチームは考えている。
SLSのプログラム・マネージャーであるJohn Honeycutt氏は、温度を約-251℃にする必要があったと述べている。エンジン1、2、4は約-245℃に達していたが、エンジン3は約30~40度ほど温度が高くなっていたとのことだ。
打ち上げディレクターのCharlie Blackwell-Thompson氏は、「我々は、1つのエンジンが他のエンジンから少し外れた読みになっていることを確認しました。それを復活させようとトラブルシューティングを行ったのですが、うまくいかず、起動の許容範囲外になってしまいました。」と述べている。
問題が計器にあると感じても、チームは、RS-25エンジンの点火準備を整えるために、カウントダウンの早い段階でエンジンチルを開始する予定だ。これは、以前行われたエンジンテストで成功したタイムラインを再現するものとなる。
「当日のGO-NO-GOの計画は立てるが、エンジン3の温度ブリードセンサーについては、これ以上の結果は得られないと予想している」 と、Honeycutt氏は述べている。
土曜日の打ち上げ試行のもう一つの要因は、天候かもしれない。Mark Berger氏によると、天気予報では朝から昼過ぎにかけてにわか雨や雷雨があるようだが、打ち上げの時間帯には「晴れ」があると楽観的な見通しを示している。朝の嵐は燃料タンクへの充填を遅らせる可能性がある。
Berger氏は、「カウントダウンのどの時点でも、天候により中止となる確率は、私にはまだかなり高いように見える。それは60%近辺のどこかだろう。」と語った。Berger氏は、「これは高いが、シャワーは散発的であると予想しており、打ち上げの良い機会があると感じている。」と述べた。
この記事は、Universe Todayに掲載されたものを、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(表示4.0 国際)に則り、翻訳・転載したものです。元記事はこちらからお読み頂けます。
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