Webブラウザ「Firefox」やメールクライアント「Thunderbird」などを開発するMozillaが、いくつかのプロジェクト開発を縮小する事が明らかになった。それに伴い、非営利企業である同社は、全従業員の約5%にあたる60人のチームメンバーを解雇するとのことだ。
TechCrunchによると、投資額が削減されるプロジェクトのひとつは、つい1週間前にMozilla Monitor Plusサービスの一部として導入されたばかりのOnline Footprint Scrubber機能だという。また、VPN Relay製品およびサービスに対する取り組みも縮小される。
さらにMozillaが、数年前に立ち上げた仮想世界サービス「Hubs」の開発を徐々に縮小していく事も、同社が従業員に送ったメモから明らかになった。Mozillaは、ある時点で「顧客に潔い撤退計画を伝える」と付け加えたが、それがいつになるかは不明だ。
メモには、2023年にMastodonと共同で開始したMozilla.socialサービスを縮小する事も述べられている。また、同社はPocket、Content、AI/MLチームをFirefox Organizationに統合するようだ。
Bloombergに送られた声明の中で、広報担当者は、これらの変更により、Mozillaは 「Firefox Mobileのような、成長し、業界にとってより良いモデルを確立する大きな機会がある製品にリソースを優先させる」と述べた。
Mozillaがさらなるリソースの投入を計画している分野のひとつが、意外にも人工知能だ。「2023年、生成AIが業界の風景を急速に変え始めた。Mozillaは、信頼できるAIをFirefoxに取り込むチャンスを掴み、Fakespotの買収とそれに続く製品統合作業がその主な原動力となりました」とメモには書かれているという。「さらに、優れたコンテンツを見つけることは、インターネットにとって依然として重要なユースケースです。そのため、本日の変更の一環として、Pocket、Content、およびコンテンツをサポートするAI/MLチームをFirefox Organizationに統合します」。
GoogleとMicrosoftが自社のブラウザにAI機能を組み込み、Appleも今後のiOS 18において進めるAI統合ではSafariのAI機能強化も予想される。そんな中、MozillaはFirefoxの存在意義を維持するために、少なくともこれらの取り組みに匹敵する必要があるだろう。
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